性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『ザ・プレデター』について

www.foxmovies-jp.com

※少しネタバレあるので、未見で三度の飯よりプレデターという人はご注意を

プレデター』と『エイリアン』どっちが好きかっつったらもう、それは断然『エイリアン』です。『エイリアン』は全作観てるけど『プレデター』は『2』までしか観ていません。やっぱりエイリアンのほうが、クリーチャーとしての造形があまりにも秀逸すぎるということがその理由の一つではあります。え、AVPなんですか、それ?

シュワルツェネッガーが出ていた第1作は小学生の時に父親が借りてきたレンタルビデオで観たんですけど、そりゃあもう怖くて。皮を剥がれた死体、犠牲者(ちなみに、演じていたのは今作『ザ・プレデター』の監督シェーン・ブラック)の内臓、鮮血がカメラに飛び散る演出とか、いたいけな子供だった自分にはかなり刺激が強い映像のオンパレードだったんですよね。これと『ロボコップ』を観たことで、かなり鍛えられた気はします。もっとほかの部分を鍛えておくべきだったような気がしないでもないですが。

プレデター(字幕版)

プレデター(字幕版)

 

さて今回の『ザ・プレデター』、シュワルツェネッガーが出ないのはまあ仕方ないかなとは思ったものの、やっぱりシェーン・ブラックが監督するって意味でかなり期待してたんですよ。『アイアンマン3』も『ナイスガイズ!』も、大好きってわけではないけどよくできた映画でしたから。

アイアンマン3 (字幕版)

アイアンマン3 (字幕版)

 
ナイスガイズ!(字幕版)

ナイスガイズ!(字幕版)

 

出演者も『ローガン』で極悪な役やってたボイド・ホルブルック(イケメンだからこの人今後売れるだろうなと思った)とか、『ルーム』の怪物子役ジェイコブ・トレンブレイとか、けっこう豪華だなと。一部界隈では「プレデター(笑)」だった当シリーズを立ち直らせてくれるんじゃないかな、と期待して観たんです。

ところがアメリカでの評価は芳しくなく、Rotten Tomatoesでは批評家からのスコアも低くて、あまり期待しないほうがいいなと思ってました。

www.rottentomatoes.com

Rottenと自分の好みが必ずしも合うとは限らないんですけど、やっぱり気になる指標ではあるんですよね。で、日本公開日を迎えたらTwitterではわりと賛否両論ぽい雰囲気。「このプレデターを作ったのは誰だぁっ!!」という某美食家のような意見もあれば「ほー、いいプレデターじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので」という某個人輸入貿易商的なつぶやきも目にする。

そして観てみた結果…。

想像のはるか斜め上を行くバカ映画に仕上がっておりました。

序盤、アラン・シルヴェストリが作曲した第1作のメインテーマが流れるところではテンションが上がるわけですよ。シュワちゃんはいないけどやっぱりあのテーマ曲は脳裏にこびりついてるから、「いよっ待ってました!」と胸がいっぱいになる。「第1作の正当なる続編」と銘打つだけのことはある。主人公クイン・マッケナとその愉快な仲間たちの出会いも、「まあこういう軽いノリもありかな」という感じで悪くない。

ところがプレデターがなんか白っぽーい研究所で捕まってるシーンあたりから雲行きが怪しくなるんですよね。えっと、いくらなんでもこんな凶悪な生物をそんなぬるい拘束で封じ込めておけるわけなくね?っていう。案の定、寝起きのプレデターに科学者連中が惨殺されるというどこかで見たような展開が繰り広げられるわけですが、まあいいですよ。細かいことをそんなに気にするべきシリーズじゃないと思うし。

ところがクインと愉快な仲間たちが軍の護送バスを乗っ取ったあたりから、いろんなことがグル◯ポンのおせちみたいに雑になっていくんですよ。例えば、「息子に銃撃戦は見せない」とか言ってた主人公が、終盤では息子の前であっさり人間をぶち殺して(しかもそんなに悪いことしてた感じでもない)開き直ったり、人間vs人間というよくある構図が見えてきたときに、悪だと思ってたやつと主人公が突然「決着は後でな」と馴れ合ったりとか、どう考えても途中の展開がすっぽ抜けてるとしか思えないようなガタガタなシークエンスの組み立てとか、とにかく首を捻らざるを得ない変な話運びになっていて。どういうことなのか調べてみたら、こういう事情があったようなんですね。

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ほかにも、愉快な仲間たちがけっこう残酷に人間を殺してたりして、シェーン・ブラックからしたら「全部ギャグだから」っていうことなのかもしれないけど、悪趣味の質でいうと例えば『デッドプール2』のそれよりは確実にレベルが低いと思うんですよね。『デッドプール2』はすれすれでポリコレ弾をかわしてる気がするけど、『ザ・プレデター』はほとんど弾当たってるから。それこそ予告編で見たデップーとケーブルのやり取りかよっていう。

ただですね、だからこの映画がクソつまんなかったかっていうと実はそうでもないというか。もう研究所のシーンあたりから「第1作の感覚で観るのはやめよう」と決めたのがよかったようです。確かにブラックジョークが滑って単に不謹慎っぽくなっちゃってるところもあるけど、クインと愉快な仲間たちが繰り出す会話は面白い。それこそ『ナイスガイズ!』を思わせるような軽妙な笑いです。だから、観てるとちょっとこいつらが好きになってくる。まあ正直、その「好きになっちゃったあいつらがこんな目に…」っていう悲壮感がなさすぎるもいかがなものかと思ったけど…。

ここでいいところを並べていくつもりだったんだけど、やっぱり文句ばっかり言いたくなってきました。だから文句を書いていきます。ジェイコブ・トレンブレイが演じる少年の設定がなんかよくわからない。発達障害を持ってるらしいんだけど、いつの間にかプレデターの言語とか理解してそうな雰囲気がありましたよね。天才にするならするでいいんだけど、そう見せるための布石を置いてないから(あるいは置いてたけど性犯罪者のせいで全部吹き飛んだか)、「え、なんなのこのガキ!?」って思ってしまう。はっきり言ってジェイコブ・トレンブレイの無駄遣い。あと今更これを言うのもなんだけど、でかいプレデターがザコは瞬殺してるのにクインとか生物学者?の女だけは「ぶん投げる」だけって、なんやねんそのえこひいきは。それからこれはアクション映画の悪しきあるあるだけど、暗い画面でいろんなことをごまかそうとするのはやめてほしい。何やってんのかよくわかんない。

そんで最後の取って付けたようなあのシーン、なんなのか一体。どういうことやねん。もうシェーン・ブラックはヤケになってしまったのか。「プレデター(笑)」な現代の若者たちに対して「かわいそうに。つまらないプレデター(ズ)しか観たことがないんだな」と山岡士郎ばりにのたまい(※想像です)「究極のプレデター」を見せるはずがこれかよ。大体あの「ヤマダ・ヒロシ」ってなんだよ。松崎しげるが突然出てくるからビックリしたわホンマ。

いやいやでもね、本当にね、つまんなかったかっていったらそんなことないんですよ。なぜか見てて飽きはしなかった。少なくとも同じ日に観た『プーと大人になった僕』よりは楽しめたのは確かなんです、これが。なんでここに来て擁護してるのか自分でも全然意味がわかりませんけど。アルバトロスの映画を観るような感覚で行けばそんなに腹が立つことはないんじゃないかと思いますよ(鳥山明の例のコピペ貼ろうと思ったけどめんどくさいからやめた)。

The Predator: The Official Movie Novelization

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