ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を観た

warnerbros.co.jp

※ネタバレあり

 実写映画化が発表されたときは誰もが「本当にやるのかよ」と驚愕したであろう『ジョジョ』。

 自分はがっつりジョジョ世代(今回の映画のもとになった第4部は中学生〜高校生ぐらいのときに連載されていた)なんですけど、漫画はあまり熱心に読んでなかったんですよね。荒木飛呂彦さんのアクの強い絵があまり好きではなくて…。でも最近、偶然アニメ版の第3部を見始めたら思いのほかハマっちゃいまして、結局第4部まで鑑賞し続けてます(第5部のアニメ化も待ち遠しい)。子供のときはこの漫画のすごさがわからなかったんでしょうね。

 で、映画なんですが、これ本当に巷でよく言われてることなんですけど、「案外悪くない」出来なんですよね。

 まず、意外といっては失礼ですけど、役者陣がすごく頑張っている。出演が決まった時点で原作ファンから相当叩かれることは予想できたでしょうけど、とにかくあの非現実的なキャラクターたちを再現することに苦心したんじゃないでしょうか。山崎賢人東方仗助役と決まったときは、それこそ空条承太郎ゃないですけど「やれやれだぜ…」とため息をついた人も多かったと思います。でもこれがそんなに悪くない。『一週間フレンズ。』みたいな役がやっぱりハマってる気はするけど、もしかして案外(失礼)ポテンシャルある?と思ってしまいました。とにかくゴリ押しみたいにいろんな映画に出てるのは本人の意向というより事務所の方針っぽいですしねえ。

 岡田将生虹村形兆は「ちょっと線が細すぎるんじゃ」と思ったものの、観てみるとけっこうドスが入った声で演技をしていてこれも悪くない。あとこれも巷でよく言われてることですが、新田真剣佑の億泰もいいですよね。どっちかというと丸顔だから億泰はどうなんだろうと感じたんですけど、柄の悪さがちゃんと表現できている。もう少し「頭が悪そう」でコミカルなところがはっきり見えたらよかったんですけど、尺の関係上厳しかったかな。

 キャスティングで気になったのは山田孝之のアンジェロですかね。山田孝之は好きな役者なんですけど、アンジェロって本来腐れ外道でどちらかというとザコに近い役で、だからこそその末路にカタルシスを感じるキャラクターなんです。でも映画では、まあそれなりに悪いことはやってるんですけど、どうも「このクソカスが」という気持ちになれない。このキャラには新井浩文あたりを使ってほしかったかなあというのが本音ですね…なんかさりげなく失礼なことを言ってるような気がしますが。

 脚本上、いいなと思った改変部分は、形兆がサラリーマンを弓と矢で射抜いて結果的に殺してしまうシーンを入れたこと。これを入れることによって、彼の最後もまあ致し方ないかなと思わせることができています。それからスタンドの描写も心配していたほど安っぽいものにはなっていませんでした。スタープラチナとかもうちょっとじっくり見たい気もしたけど、あんまり長く映ってるとボロが出ると思ったのかな。

 と書いてきたわけですが、やはり気になる部分もありました。予告編の時点で違和感があったんですけど、女の子たちが仗助を「ジョジョ先輩」と呼ぶところ。しかもこれが、割りとしつこい。タイトルの「ジョジョ」っていうのはこういうことなんですよ〜という説明がしたいのはわかるんですけど、この映画ってそのわりには「ジョジョ」のファンじゃない人にあまり優しくない出来になってるんですよね。僕みたいに原作を知ってる人は脳内補完できても、山崎賢人とか目当てで観に来た全然「ジョジョ」知らん女の子は何がなんだかって感じになっちゃう気がしますよ。それでいて「ジョジョ先輩〜」ってしつこいから、なぜかこっちがこっ恥ずかしくなってきちゃって。

 あと引っかかったのは、バッド・カンパニー戦で、最後に形兆に反撃するくだり。一度クレイジー・ダイヤモンドでミサイルを破壊してから直すまでの間がなんか長いんですよ。原作では形兆と仗助の会話がちょっと挟まれるんですけど(まあそれでもちょっと間は長いんだけど)、映画ではここに神木隆之介演じる広瀬康一もちょっと絡むから「さっさと反撃しろよ」と思ってしまいました。まあ間が空くぶん形兆の油断が生まれた…という見方もあるかもしれませんが。

 とまあ気になる部分もあるにせよ、狂信的な原作ファンの方でもない限り観に行ってもそんなに損はない作品だと思います。だいたいみんな『テラフォーマーズ』だけで三池崇史監督を叩きすぎですよ。『オーディション』とか『十三人の刺客』とかいい映画もたくさん撮ってる人なんですからね。

 興行的にはどうも今ひとつなようで、「第一章」とうたっておきながら第二章、第三章が作れるのか非常に微妙ですが…。最後に吉良吉影もちらつかせるんだからちゃんと完結までやってほしいものです。僕はまた観に行きますよ!昨日はチネチッタの招待券で観たから説得力ゼロだけど。あと吉良吉影はやっぱり巷で言われてるみたいに北村一輝がいい!(川尻浩作をどうするかはともかく)。というわけで、食わず嫌いの人は映画館で鑑賞してみてくださいね。責任は一切取りませんが。