ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『ブルーに生まれついて』を観た

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映画『ブルーに生まれついて BORN TO BE BLUE』オフィシャルサイト

 

 以前から楽しみにしていた映画です。どういう作品なのかというと、ジャズ・ミュージシャンのチェット・ベイカーを描いた物語ですね。

 僕は正直にいってジャズにはそれほど明るくないんですが、チェット・ベイカーって非ジャズ・ファンでも聴きやすい人なんじゃないかと思います。興味のある人はApple MusicとかSpotifyで聴いてみたらいいんじゃないでしょうか。たぶん入りやすいのは『チェット・ベイカー・シングス』ってアルバムだと思います。この映画でも出てくる楽曲「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「アイヴ・ネヴァー・ビーン・イン・ラヴ・ビフォー」なんかが収録されてます。

チェット・ベイカー・シングス

チェット・ベイカー・シングス

 

 ジャケを見てもわかるように、チェット・ベイカーってイケメンだったんですね。映画ではイーサン・ホークが彼を演じています。正直、どれぐらい似てるかとかはよくわからないんですけど(声真似も含めて)、とてもいい演技で引き込まれました。

 映画を観ればわかりますが、チェット・ベイカーって薬にも人にも依存するし女癖も悪そうだし、とにかくダメな男なんです。確実に「地雷」物件な男性なんですけど、いつの世も女性はこういう人に弱いんですよね。カルメン・イジョゴ演じるジェーンという女性も最初は「ダメよダメダメ(古い)」な感じで彼の誘いを断り続けるんですが、あっという間に落ちてしまいます。ちなみにこのジェーンという女性は架空の人物で、チェットが実際に関係を持っていた女性たちを組み合わせて作った人だそうです。

 まあねえ、正直に言うとこのジェーンってキャラクターは「男の理想」って感じがしたかな。こんな都合のいい人あんまいないですよたぶん。でもカルメン・イジョゴが可愛くてスタイルもいいこともあって、僕は彼女にけっこう見とれちゃいました。

 映画の冒頭は、チェットの伝記映画という劇中劇が繰り広げられるのでちょっと混乱します。チェットの元妻のエレイン(この人は本当にいたのかな? 英語版Wiki見ても書いていない)という女性をジェーンが演じていて、それがきっかけで2人は出会ったわけです。ここでマイルズ・デイヴィスディジー・ガレスピーが出てくるんですけど、マイルズが超感じ悪いオッサンです。まあ実際かなり偏屈な人っぽかったですけどね。そのあたりは、『アベンジャーズ』でおなじみドン・チードルが監督・主演・脚本・製作の4役をこなした『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間』に描かれてるかもしれません。

 ジェーンというキャラクターにしてもそうですが、全体的には実際に起こった出来事を忠実に再現するというよりは、けっこうフィクショナルな物語になってると思います。チェット・ベイカーの半生を丹念に描くというよりは、1人の孤独な男の物語という感じ。せっかくいろんな物事がうまくいってるのにどうしてそうなるんだアンタ……と呆れてしまう人も多いかもしれませんが、観終わったあとには「あそこでああしてしまう人だからあのトランペットの音色と歌声があったのかなあ」とも思わされてしまいます。あのシーンでジェーンが涙を流すわけも色々考えちゃいますね。

 これは映画の中では描かれないので書いちゃいますが、チェットは1988年にアムステルダムのホテルの2階の窓から落ちて死んでしまいます。部屋にはヘロインとコカインがあり、検死の結果薬物反応も出たことからドラッグをやっていたのは確実だったようです。

 人によっては退屈な映画かもしれないしチェットのダメダメぶりにイライラする人もいるかもしれないですが、僕は引き込まれました。そこまでジャズに詳しくない人でも多分大丈夫だと思うし、女性が観たらどんな感想を持つのかなというところも気になります。地味な作品ではありますが個人的には押したい映画です。『MILES AHEAD』も楽しみだなあ。ジャズヲタじゃないけど。