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ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『ジェイソン・ボーン』を観た

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bourne.jp

※ネタバレあり

 はい、楽しみにしていた『ボーン』シリーズ最新作です。

 記憶を無くしたCIAの“人間兵器”ジェイソン・ボーンが、自身の過去を取り戻していくまでを描くこのシリーズ。前作『ボーン・アルティメイタム』で完結したと思ってたんですが、やっぱりヒットシリーズだから続編は作られてしまうんですねえ。

 途中、ジェレミー・レナーが主演した『ボーン・レガシー』なんてのもありましたがほとんど無かったことにされているのはともかくとして、本当に『アルティメイタム』までは面白かったんですよ。アクションの撮り方が絶妙で、明らかに映画界に新たな潮流を生み出したと思うし、とにかくジェイソン・ボーンがカッコいい。マット・デイモンはこのシリーズがきっかけで急に肉体派俳優になっちゃいましたよね、良くも悪くも。

 あまりにもマット・デイモン=不死身のジェイソン・ボーンというイメージが固定されすぎたせいで、『インターステラー』で彼が宇宙に放り出されたとき、モービーの「エクストリーム・ウェイズ」が流れて宇宙船まで泳いで戻るんじゃないかと思った人は僕だけじゃないはずです。


Moby - Extreme Ways (Jason Bourne)

 前置きが少し長くなりましたが、今回の『ジェイソン・ボーン』は本国アメリカでの評判がイマイチ(興収はそこそこ)だったこともあって、「こりゃあんまり良くないかもなあ」とも思ってました。蓋を開けてみるとまったくその通りで、正直がっかりです。

 まずこのシリーズ最大の売りのスピーディなアクションですが、今回何がどうなってるのかよくわかりません。もしかしたら僕が歳で動体視力が落ちただけかもしれませんが、『ボーン』シリーズってスピーディでも何をやってるかちゃんと把握できるから面白かったんですよ。2作目、3作目を撮ったポール・グリーングラスが撮ってるのに、なんで今回はこんなことになっちゃったんですかね。編集の人も変わってないしなあ。カメラがぶれてもカット割りが異常に高速でもちゃんと観ることができたのに、どうしてしまったんだろう。お前はマイケル・ベイか、と。

 あと問題なのは、こういうアクション描写が9年というブランクの間に当たり前のものになってしまって、特に新味がなくなってしまったことでしょうね。久しぶりに再始動するならもうちょっと何か新しいものを見せてほしかった。今回お金をかけて街なかでめちゃくちゃなカーチェイスとかやってますが、はっきりいって派手なだけです。お前はマイケル・ベイか。

 ストーリーも既視感があるというか、1作目のヒロインを2作目で死なせてたんですが、今回も同じような展開が冒頭にあります。トミー・リー・ジョーンズを出してるののなんの深みもないキャラクターになってるし、今が旬のアリシア・ヴィキャンデルもほんともったいない使い方。誰が脚本書いたんだと思ったら、グリーングラスと、編集をやってるクリストファー・ラウズでした。せめてトニー・ギルロイが関わってたらもうちょっとマシなものになってたと思うんですけど、今回は彼が脚本に携わっていません。監督した『ボーン・レガシー』がコケたんですねちゃったんですかね。

 ユニバーサルは今後も続編を作りたいようですが、やるならやるでちゃんとした脚本家を呼んだほうがいいです。あとグリーングラスももう降板でいいんじゃないかなあ。つーか第一作の『ボーン・アイデンティティー』を撮ったダグ・リーマンがあまりに過小評価されてると思うのは僕だけでしょうか。いつの間にかグリーングラスがこのシリーズの生みの親みたいになってますけど、『ボーン・アイデンティティー』から十分このシリーズは面白いんです。というわけで、まだこのシリーズを一本も観たことがないという人はぜひ『ボーン・アイデンティティー』『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』を観てください。