ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観た

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trumbo-movie.jp

 ダルトン・トランボのことはなんとなく知ってました。ハリウッドでの赤狩りで業界を追われ、別名で『ローマの休日』のシナリオを書きアカデミー脚本賞を取った人、『ジョニーは戦場へ行った』の監督…。まあそこそこ映画が好きなら普通に知ってるレベル。

 『ローマの休日』は結構好きな映画だし自分も脚本を書いたりしていたことがあったので気になってましたし、周囲の評判もいいのでTOHOシネマズ シャンテへ。ここはお客さんの年齢層が割りと高くマナーが悪い人もあまりいないので、嫌いじゃないです。そしていかにも「日比谷で上映してそうな映画」が上映される映画館です。ただし入るときにエレベーターしか手段がないのが面倒…。

 主演は僕が1話だけ観て飽きた『ブレイキング・バッド』のブライアン・クランストンです。僕にとっては『ブレイキング・バッド』よりも『ドライヴ』の整備工場のオヤジとか『ゴジラ』のお父さんってイメージが強いですね。とにかく「お父さん」イメージが強い人。

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 監督が『ミート・ザ・ペアレンツ』のジェイ・ローチなせいか、シリアスなストーリーの割りには随所に笑えるシーンがちりばめられていて、劇場では何度も笑いが起こってました。「そこ笑うとこじゃなくね?」みたいなとこでも笑ってたけど…。ただ、B級映画の脚本をトランボたちが書いているときの「エイリアンが労働者の権利を…」みたいなとこはさすがに吹きました。このシーンはジョン・グッドマンが実にいい味を出していました。粗野だけど根はいい人なおじさんの役でジョン・グッドマンが出てくると、もうそれだけでちょっといい映画な気がしてきます。

 長女役が急にでかくなったのには驚きました。あんなに童顔だったのにもうエル・ファニングになってる、鼻が上向いてる!と、ちょっと不自然な感じはありましたね。トランボは実際には1年も刑務所に入っていなかったそうなので、成長しすぎだろ、ひと夏の経験でもしたのかよと思いました。ひと夏の経験をしたぐらいじゃあんなにでかくならないし鼻は上を向かないと思いますがね、ええ。

 まあそんな重箱的なことはどうでもよくて、本当によくできたいいお話だったと思います。事実と違うところも結構あるようですが、完全に真実をなぞると映画にならなくなってしまうかもしれないし…。例えばトランボの長女はあんなに鼻が上を向いていたのかとかね。

 僕がこの映画で一番感動したのは、『ローマの休日』をトランボ一家が映画館で観るシーンです。有名な“真実の口”のシーンですが、何度も観たことのあるこの場面がもうものすごく感動的で、トランボ一家の周囲で反応するお客さんたちと一緒に『ローマの休日』を観ているような気分になってしまったのです。不思議なことに、この『ローマの休日』のワンシーンの良さを再確認させられたというか…。

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 ↑初めて観たとき、結末が少し意外で、ちょっとしんみりして、「いい映画だな」と思いました。

 共産主義の是非とかいろいろありますが、『トランボ』は不当に悪者にされてしまった人たちの物語です。簡単にレッテルを張られて非国民だと決めつけられ、追放されてしまった人たち。映画の時代は約半世紀ほど前ですが、今の日本にも似たような空気が漂っています。つまりこれは「昔あったこと」ではなくて、現在進行形の事象でもあるし、これから何度も繰り返されそうなことです。そういう意味で、この映画はただの伝記映画ではないなと強く感じました。