ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『シン・ゴジラ』を観た

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shin-godzilla.jp

 庵野秀明が総監督・脚本ということで「おいおい大丈夫かよ…」と危惧し(その理由は説明すると長くなりそうなので書きません)、予告編で見た石原さとみのキャラの安っぽさに「もうダメだ」と思い(ま、結果これは本編観ても変わらなかったが)、いざ観てきました『シン・ゴジラ』。

 結論から言えば言いたいことはいろいろあるが面白かった、少なくとも想像してたよりは良かったって感じです。

※多少ネタバレあり。

 では良かったと思う点から。

ゴジラがちゃんと人類の脅威として描かれている

 ギャレス・エドワーズ版の『GODZILLA ゴジラ』は映像的には『シン・ゴジラ』に圧勝していましたが(まあ無理もない)、結局ゴジラが人間の味方っぽく終わるのが残念でした。このあたりは好みだと思いますが、やっぱりゴジラは人間にとって畏怖の存在、絶対的な破壊神であってほしいのです。ベ◯ータとかピッ◯ロみたいに日和らないでほしい。その点今回のゴジラは凶悪(いや、厳密には悪ともいえない。そこに悪意のようなものがないから神々しく恐ろしい)で最高でした。

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ルックスがいい(ただし第4形態のみ)

 これは映画を観る前から明らかになっていましたが、歯並びの悪さとか三白眼とか背びれの刺々しい感じとか、全体的に禍々しさが溢れててよかったと思います。ギャレス版のゴジラも嫌いじゃなかったですが(ローランド・エメリッヒ版?あれはゴミです)、どちらか選べといわれれば今回の庵野ゴジラのほうが好きですね。手がちっさすぎるし尻尾がでかすぎるのはどうかなと思いましたが、まああのアンバランスさもキモくてよかったです。ただし第1(2かな)形態については…(後述)。

 

ポスト震災を反映したストーリーがいい

 やっぱり今回は東日本大震災とそれにともなう原発事故の影響というのがわかりやすすぎるぐらい反映された内容になっているんですよね。太平洋戦争と原爆の惨禍を反映させ日本人のトラウマをよみがえらせた1954年版ゴジラとも重なって、いささかわかりやすすぎる(例えば決死の作業でゴジラに凝固剤を注入するシーンなんかはやはり福島第一原子力発電所事故でのあの光景を思わせる)とはいえ「そうそう、これが(俺の思う)『ゴジラ』なんだよ…!」と胸熱な気持ちになりました。そして日本政府の「会議のための会議」みたいなまどろっこしい対応も「さもありなん」という感じでしたしね。

 

元祖へのオマージュ、愛がある。それでいてオリジナリティもある

 冒頭の東宝のロゴが出るところから音楽の使い方まで、庵野秀明のオリジナル作品への愛を感じられました。ギャレスにももちろん愛はあったけど、やっぱり庵野秀明ほどじゃない。というか、ギャレス、お前は『GODZILLA ゴジラ』続編の監督を降りた時点でもうダメだ。

 音楽面では伊福部昭の楽曲の使い方が憎くて、やはり胸熱でした。

 それから庵野秀明らしさのようなものも随所に見えて、ここは意見が分かれるところでしょうけど『エヴァ』のファンはニヤニヤしちゃうんじゃないでしょうか。巨災対(巨大不明生物特設災害対策本部)が作戦を練るシーンであの曲のアレンジバージョンが流れるところとか。ま、ちょっとくどかったですけどね。アレンジはいくつかあったものの何度も流しすぎです。

兵器描写

 軍ヲタじゃないんでそれほど詳しくないんですが、兵器描写に庵野秀明のオタク心を感じました。武蔵小杉でゴジラに機銃とミサイルで攻撃するシーンはすごくよかったです。

 武蔵小杉といえば丸子橋とか浅間神社とかよく知ってる場所がゴジラに思いっきり破壊されてて笑いましたが、どうせならあの目障りなタワーマンションを破壊して住民皆殺しにしてほしかったですね。ま、避難してるか。

ゴジラの熱線描写

 今回、新しいなーと思いました。ATフィールドじゃないですが、あんなふうに放射状?に攻撃して上空の敵を破壊するなんて。メカゴジラかお前はとも思いましたが、新鮮でした。あと尻尾からも光線を出すんですが、この効果音が昭和の特撮っぽいチープな音で、ここにもこだわりを感じましたね。

在来線アタック

 実際にあんなことをするのかどうかはともかくとして、すごく新鮮で面白かったです。鉄ヲタ的にどう思うのかはともかく、血が騒ぎました。よくこんなこと考えつくな〜という感じ。

 

 さて結構ほめたのでここからは不満に思った点を。

 

第1形態(第2形態?)の違和感

 上陸したゴジラの幼体?のルックスがどうにもしょぼいというか…キモい感じは良かったんですが、顔がなんかあまりに別の生きものっぽくてどうなのと思いました。あとCG合成もあまりうまくいってなくてチープな感じがしました。破壊される街の描写はいいのにゴジラの幼体があまり馴染んでいない。まあこのへんはお金の問題かな。

やっぱり石原さとみのキャラは変

 彼女が演じてるカヨコ・アン・パタースン(だったっけ?どうでもいい)の「英語を交えて日本語をしゃべる」キャラの糞だささ。あれは一体何なんでしょうか。正直、彼女が出てくるたびに「もう勘弁してくれよ!」と思ってしまいました。別にいいじゃん全編日本語で。石原さとみは可愛いけどこのカヨコとかいうキャラは本当にひどいです。この映画で一番の減点ポイントといってもいいでしょう。

ゴジラ速いんだか遅いんだかはっきりしろ

 ゴジラが上陸したと思ったら突然牛歩になってる感じがしてどうにも違和感が。しかも街を破壊するときもなんだかゆ〜っくりな気がするんですよね。老人かよと思ってしまいました。幼体のときはあんなにぶるぶる動いてたのに。

街の破壊シーンにムラがある

 街を破壊するのはいいんだけど、なんか壊し方が中途半端。かと思うとやはり別のシークエンスでは突然荒ぶったりする。時間が足りなかったのか金が足りなかったのかわかりませんが、このあたりの映像はギャレス版に完敗です。

わかりやすいセリフを思い切り言わせるな

 市川実日子が「ゴジラより人間のほうが恐ろしい(キリッ」とか言うんですよ。おいおい正気か?と思いました。そんなわかりやすい、ベタなことをいちいちセリフで言わせないでくださいよ。糞ださいから。

音楽の使い方がちょっともったいない

 予告編で流れてる鷺巣詩郎の音楽、いい感じに悲壮でクライマックスで使ってくれるのかなと思ってたら最初のほうに使って終わり。もったいねえ! せめて中盤の大破壊シーンで使ってほしかったよ…。もう過去の楽曲をどこに使うか頭がいっぱいでそれどこじゃなかったのかもしれないな。

シン・ゴジラ音楽集

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 まあこんなところかな。まあ重箱的なことも言ってるのは承知ですが、やっぱり石原さとみの役、あれはダメだろ、というのは大絶賛されてる方でもほぼ同意してくれるんじゃないでしょうか。僕は庵野秀明の大人の女性の描き方が昔から好きじゃないんですけど(ミサトもリツコも早く死ね!!!といつも思ってた)、今回もこのあたりの成長は全然見られなかったようです。

 言っておきますが、僕は石原さとみは全然責めちゃいないんですよ。あのカヨコパーデンネンとかなんとかいうキャラがダメだと言ってるだけなんです。

 ちなみに外国の某サイトでは「しゃべってるシーンが多過ぎで退屈」という感想を見掛けました。まあね、わからないでもない…。

 でも期待してたよりは本当に面白かったし、興奮した状態で劇場を出ましたよ。とにかく一見の価値はあると思うので、ポケモンばっか探してないで映画館に行ってください!

 それから庵野さんはいろいろ文句も付けたけどこれだけのものを作れるんだから『エヴァ』なんかもう放置でいいんじゃないですか?(ファンにキレられそう)。続編作ってほしいですよ。