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ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『シング・ストリート 未来へのうた』を観た

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gaga.ne.jp

※若干ネタバレあり。

 なんとなく敬遠してきたジョン・カーニーですが、食わず嫌いし続けるのもどうかと思い観てみました。この作品を観る前に『ONCE ダブリンの街角で』を鑑賞していたのですが、まあいろんな意味で「こんなもんだろうな」という域を出ない映画でした。

 そして今回の『シング・ストリート 未来へのうた』(「うた」がひらがななのが糞だせえミソです )ですが、いささかいろんなことがうまく行き過ぎで爽やかすぎて腹は立つものの、なかなかおもしろくできていました。

 冴えない主人公が恋をしてバンドを組んで成功していくという、もう気恥ずかしくなってくるほどのテンプレ的ストーリーが展開されるわけですが、随所に笑えるシーンがぽつぽつあるのであまり嫌味な感じはしない。特にデュラン・デュランの「リオ」を演奏するシーンで、本来シンセのアルペジエーターで弾かれているはずの16分シーケンスを無理やり手弾きしているところが笑えました。そこがこの映画で一番良かったところでした。

 まあ最初から天性の才能があったんだと思えばいいし突っ込むところじゃないのかもしれないけど、主人公たちの楽器の上達が早過ぎるのと、最初のオリジナル曲を作るときにアレンジ力がありすぎてちょっとなあと感じちゃいましたね。とはいってもマルーン5の人が曲を作ってるらしいんで、そりゃプロレベルではあるんだけど“どうにも退屈で面白みのないオリジナル曲だなあ…”と思わずにはいられませんでした。マルーン5のファンの方には申し訳ないですが。ジョン・カーニーという人がマルーン5の人に音楽を任せるというのはさもありなんという気がします。(あくまで個人的な見方ですが)なんだかそつのない優等生という感じなんですよね、両方。

 それでいてジョン・カーニーは前作『はじまりのうた BEGIN AGAIN』(「うた」がひらがななのが糞だせえミソです )で起用したキーラ・ナイトレイをディスったあとすぐに謝ったりしてるんすよ

 こういう浅はかさが、この人の映画にもけっこうにじみ出ている気がします。あれだけ悪そうな奴だったいじめっ子がちょっとしたことで態度をころっと変えてバンドのローディ兼用心棒になったりとかさ。おめでてえなほんと。脳がお花畑なのかよ。

  それから、主人公のお兄さんがなかなか面白い人物で、中年の僕としては彼に感情移入しちゃったんですけど、最後に「イェス!」とかいうシーン、あれダサくないですか? 正直僕は寒かったです。あの「イェス!」にジョン・カーニーという人の底の浅さが凝縮されてる気がします。それまで割りと好きだったあのお兄さんですが、あれ見て一瞬で嫌いになりました。

 いつの間にか完全にディスりモードになってきていますが、まあひねくれた人間のたわごとです。食わず嫌いだったジョン・カーニーの映画を観て僕が連想したのは、レタス入りのチャーハンですね。「チャーハンにレタスとか、まあ好きな人もいるんだろうけど無いわ〜。でも食べてみよう。……やっぱ無いわ〜」みたいな、そんな監督だなと思いました。レタス入りのチャーハンを好きな人もけっこういるので全否定はしません。でも俺は好きじゃないです。

 どうでもいいけどバラード歌うシーンとかも全然良くなかったなあ、曲が。あの曲をウォークマン?か何かで女が聴いて泣くとかさ、三木孝浩レベルの演出でしょあれ。だっせえ。超だっせえ。でも世間では「わ〜いい話〜音楽ってやっぱいいね!」みたいなふうに取られるんだろうな。じゃあ自分はもう世間なんかに属さなくたっていいや。僕はやっぱり、この映画ではちょっとだけ言及されるジョイ・ディヴィジョンとかのほうが好きっす。