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ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『クリーピー 偽りの隣人』を観た

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creepy.asmik-ace.co.jp

※ネタバレあり

 

 原作小説は読んでないんですが、黒沢清監督作品らしいなんとも奇妙な映画でした。

 シネフィルとして知られる黒沢監督ですが、この人は映画を理屈で作ってるようでいて作っていない気がするし、かといって本当に何も考えてないのかというとそこは全然違うし、多分、考えてはいるんだけどその考える領域が普通の人たちとは全然違う人なんじゃないかと。ていうか一番クリーピー(気味が悪い)なのは黒沢監督本人なんじゃね?(ほめてます)と思わされてしまいます。

 

これはクリープ。

 冒頭は結構まともなサイコスリラーって感じなんですよね。それこそ『セブン』とかを連想させるような。このシーンの緊張感が凄いし、黒沢監督って割りとロング気味で殺人シーンを撮りますよね。ミヒャエル・ハネケほどではないんですが、視点が冷徹でいつもゾッとさせられます。

 ただ、この映画が冒頭のようなトーンをそのまま保つのかというと僕にはそうは思えなくて、中盤以降ではもうとにかく変なことが起きまくります。竹内結子のシチューのボウル、あれ何だよ。

 香川照之の怪しい隣人ぶりも不気味を通り越して笑ってしまいそうになります。このあたりの紙一重の感じは『LOFT』を思い出しました。

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 結局何がどうなったのかというところが最後まで(少なくとも僕には)よくわからなかったのですが、黒沢監督の作品を知ってると「まあいいか。なんだかよくわからんけど面白かったし」と思わされてしまう。知らないと本当に煙に巻かれたような気になるかもしれません。

 『CURE』とか『ニンゲン合格』は割りとわかりやすい映画だったんだなと、今になって思います。

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 それにしても黒沢清に負けず劣らず、いや香川照之に負けず劣らず、西島秀俊が演じてた主人公もちょっとおかしな人でしたよね。大学の講義で猟奇殺人犯の犯行の手口を解説するときに「さすがアメリカはスケールが違いますね、ハハッワロス」みたいに言ってるところでは「この人も相当ネジが外れてるな」と思いました。東出昌大が演じた若い刑事にしても問題のある人だったようだし、まともな人間がほとんど出てこない映画です。

 しかし周囲の人間を巻き込んでいく怪物的な存在という意味では、香川照之が演じたキャラクターは『CURE』で萩原聖人が演じた人物と重なっているのかもしれませんね。それを追う人物までもが巻き込まれてしまうところなんかも。

 黒沢清監督作品を鑑賞したことがない人は『CURE』を観てからこれを観てもいいかもしれません。

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