ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『ボーダーライン』を観た

f:id:q050351:20160106004144j:plainSicario/アメリカ/121分

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:テイラー・シェリダン
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:エミリー・ブラントベニチオ・デル・トロジョシュ・ブローリン ほか

 原題のSicarioは、スペイン語で“暗殺者”を意味する言葉だそうです。しかし邦題は『ボーダーライン』で、まあ「シカリオ」って言われてもなんのことかわからんからしょうがないよなあとは思うけど、もうちょっとなんとかならなかったのかとも思います。こう言っちゃなんだけど、この手の映画はどっちにせよ「映画好き」が観に行く映画なんだから変にライト層を意識しても意味がないんじゃないでしょうか。

 さてこの『ボーダーライン』、どういうお話なのかというと、みんな大好きメキシコ麻薬戦争ものです。最近の僕はメキシコと聞けば条件反射的にキ○タマが縮み上がってしまいます。メキシコ麻薬カルテルの恐ろしさは、映画を観る人ならそこそこ知ってるんじゃないでしょうか。『悪の法則』とか、僕は未見ですけど『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』とかね。あとはいろんなまとめサイト(文章を読むだけで恐ろしくて、画像は見られない)。

 

 物語は、エミリー・ブラント演じるFBIエージェントのケイトが麻薬捜査班に任命され、メキシコの街フアレスで調査を続けるうちに得体のしれない深い闇に飲み込まれていくというものです。それにしてもエミリー・ブラントはいつからか強い女の代名詞みたいになってきてる気がします。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』でもそうでした。

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 そろそろロマンティック・コメディなんかに出てるエミリー姐さん(僕より歳下)も観てみたい気がしますが。

  ケイトは捜査を行う上で、ジョシュ・ブローリン演じるマット、古谷一行ベニチオ・デル・トロ演じるアレハンドロと協力することになります。このアレハンドロがもう、登場時から超怪しい。絶対になんか企んでるなこいつって感じです。一方、マットは非常に軽いノリのおっさんです。こいつもこいつで何か隠してるっぽい。

 途中、捜査チームがフアレスの道路で渋滞に巻き込まれる場面が出てきます。ここで近づいてくる車がまた超怪しい。絶対怖い人たちだって感じの連中がケイトたちの方を観てきます。というか、このシーンに至るまでのフアレスの描写も恐ろしいんですよね。見せしめとして処刑された連中の死体が高架とかからぶら下がってるんですけど、頭とか片腕がないんですよ。もう怖すぎてタコスすら食べられません。

 ケイトは次第に、自分が関わっているのがまともな捜査ではないことに気づいていきます。抗議をしてもマットは「はいはい」と華麗にスルー。そして、あやうく殺されかけたところをアレハンドロに救ってもらいます。ちょっといい雰囲気になったりして、アレハンドロってなんかいい人そう!とか思うんですけど、もちろんそんな単純な話ではありません。

 この映画、『007 スカイフォール』なんかも手がけたロジャー・ディーキンスが撮影を務めていて、もちろん映像もいいんですが、それ以上に「音」がいいですね。ヨハン・ヨハンソンの禍々しい重低音で構成された音楽もいいし、音響も素晴らしい。特に冒頭シーンはすごかったですね。絶対に劇場で観たほうがいい映画だと思います。つか爆音上映とかで観てもいいかも。

 監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは『ブレードランナー』の続編を撮ることが決定しているカナダの人。初めて観た作品は『灼熱の魂』だったんですが、これは本当に怖い映画でしたよ。下手なホラー映画(お前のことだよ『インシディアス』)よりよっぽどぞっとする。

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 ヴィルヌーヴの映画は基本的にやりきれない結末を迎えることが多いです。この映画も、すんげーバッドエンドとかではないけどなんだかモヤモヤします。勧善懲悪ものの単純な映画を求めている人にはおすすめしませんが、『ノーカントリー』みたいな作品が好きな人は絶対観たほうがいいんじゃないかな。