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ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『リリーのすべて』を観た

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The Danish Girl/イギリス、ドイツ、アメリカ/120分

監督:トム・フーパー
原作:デヴィッド・エバーショフ(『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』)
脚本:ルシンダ・コクソン
撮影:ダニー・コーエン
編集:メラニー・アン・オリヴァー
出演:エディ・レッドメインアリシア・ヴィキャンデル、ベン・ウィショーセバスチャン・コッホアンバー・ハードマティアス・スーナールツ ほか

1926年、デンマークコペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は結婚して6年目になる肖像画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)と仲睦まじい日々を送っていた。ある日、ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を引き受けたのがきっかけとなり、自分の中に潜んでいた女性の存在を自覚するようになる。最初は遊びのつもりでアイナーに女装をさせ、“リリー”として外に連れ出し楽しんでいたゲルダも、次第にアイナーが本気だと気づき激しく動揺するが…。

 TOHOシネマズ川崎で鑑賞。どうでもいいけどTOHOシネマズは開場してから本編が始まるまで長過ぎるんだよ。死ね。

 いきなり暴言から始まりましたが、映画自体はよかったです。監督は『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー、主演のエディ・レッドメインはその『レ・ミゼラブル』で脇役ながら存在感たっぷりだった人ですね。ちなみにエディは、ホーキング博士を演じた『博士と彼女のセオリー』で2014年度のアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。

notesleftbehind.hatenadiary.com

 『リリーのすべて』は実話ベースということになってますが、実際にはけっこう脚色されているようです。まあそんなのはよくあることなので特に気にしません。

 この映画、“世界で初めて性別適合手術を受けた人の物語”という角度から観てもいいのですが、個人的には、主人公の奥さんのゲルダに注目しちゃいました。というのはゲルダを演じているアリシア・ヴィキャンデルが盛大におっぱいとかおしりを出すからというわけではないです。正直なところをいえば、「女の腐ったような奴」と小さな頃から指を差され、「いつかは女装をしてみたい」と思いながらもすね毛とヒゲの濃さから勇気が出ない僕ですら、主人公の「目覚めちゃった勢い」にはついていけないところがありまして。

 別に「私やっぱ女だったわ」って思うことについては特に文句はないんですけど、目覚めてからの奥さんへの態度とかちょっと冷たくないかと思ってしまいました。それでもめげず、旦那が女に目覚めても最初こそ戸惑うもののバックアップする彼女の献身ぶりにはちょっと同情します。というか今書いてて思ったんだけど、旦那は女になったものの結果的には亭主関白みたいなことになってますよね。何を言っているのかよくわかりませんが。いや、でもアレか。女に目覚めてから冷たくなるっていう、これこそが女特有の冷酷さか。

 アリシアは本作でアカデミー賞主演女優賞を獲りましたが、決して派手な演技ではないです。むしろ抑えて抑えて、それでも滲み出るようなゲルダの感情を細やかに演じている。もちろんエディも良かったですが、ゲルダに感情移入してしまうこともあってやはりアリシアの演技に見入ってしまいました。おっぱいとおしりにも見入ってしまいましたが。ちなみにこの映画、暗くてシルエットレベルとはいえエディ・レッドメインの亀頭を拝めるという素晴らしい作品となっております。大好きな俳優の亀頭が観たい人は映画館の最前列を予約して大画面でエディの亀頭を堪能しましょう。あと俳優では、アイナーの幼なじみであるハンス役のマティアス・スーナールツがかっこよかったですね。最初はどこのロシア大統領だよと思いましたが。

 それからこの映画は撮影と美術がすごくいいです。撮影のダニー・コーエンは『英国王のスピーチ』でもトム・フーパーと組んでましたが、広角レンズをうまく使い、人物を画面の隅に置いたりしています。そしてシンメトリーな構図を多用する。そういった撮影テクニックとストーリーテリングや登場人物たちの感情についての相関関係を説明できるほど僕の頭はよくないわけですが、とにかく観ていて楽しい画でしたね。

 ところでアイナーが目覚めるきっかけになるシーンを観ていると、「自分も女装したらこんなふうに目覚めたりするんだろうか」と思いました。だってそれまでは普通に男としてがっつりセックスしてるぽかったですしね。

 実は僕、「女の子が生まれてくることしか考えていなかったので女の名前(香織)は考えていたが男の名前は考えていなかった。だから今のあんたの名前は適当に決めた」とかいうひどい親を持っていまして、小さい頃の子どもは女の子みたいな色合いの服が多いんですよね。ベビー服も女物しか買っていなかったというありさまです。さらに、小学1年生のときは学校でうんこを漏らし保健室に行くと女物のパンツしかなかったのでそれを履いて帰るという経験もしたのですが、今のところ女に目覚めてはいません。

 最後にものすごくどうでもいい話をした気がしますが、観て損はしないよくできた映画だと思うので、鑑賞は素直にオススメできます。女性がこの映画を観てどんなふうに思うのかが気になります。