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ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『セーラー服と機関銃 -卒業-』を観た

f:id:q050351:20160306215641j:plain日本/118分

監督:前田弘二
原作:赤川次郎(『セーラー服と機関銃・その後―卒業―』)
脚本:高田亮
撮影:相馬大輔
編集:佐藤崇
音楽:きだしゅんすけ
主題歌:橋本環奈「セーラー服と機関銃
出演:橋本環奈、長谷川博己安藤政信大野拓朗、宇野祥平、古舘寛治伊武雅刀武田鉄矢 ほか

一度は弱小ヤクザ“目高組”の組長をやるハメになった星泉(橋本環奈)。高校3年生の今は組も解散し、商店街にある“メダカカフェ”の店長となって平穏な日々を送っていた。そんな中、巷では浜口組を傘下におさめたホリウチ組が暗躍し、泉の街が破壊されようとしていた。任侠道にもとるホリウチ組のやり口に反発する浜口組の幹部・月永(長谷川博己)に思いがけず協力を求められ、再びヤクザの世界へと足を踏み入れるハメになった泉だったが…。(allcinemaより)

 チネチッタの日曜朝イチの回で観てきたんですが、客が僕を含めて10人もいなかったような…。しかも10代はおろか20代も皆無、37歳の僕が最年少かと思えるような年齢層の高さ、おまけに女子がおらずおっさん(お前もだろ)しかいない!

 多分薬師丸ひろ子版を若いときに観て熱狂した世代の人たちばっかりだったんでしょうね。僕自身は当時3歳とかなのでもちろん記憶はなく、最近ようやくDVDで観たぐらいです。

 薬師丸版を観たことがある人ならわかると思いますが、これものすごく変な映画です。そもそも話の設定自体に無理があって一種のファンタジーなのですが、アイドル映画ということもあり、監督の相米慎二はほとんどやりたい放題やってます。大体オープニングでヒロインがいきなりブリッジしてるんですよ? 全然意味がわからない。この映画の変なところを書き始めるときりがありませんが、当時は大ヒットだったそうです。でも不思議なもので、この作品は「よくできた映画」ではないんですけど、妙に心に残る映画なんですよね。

 今回の主演は橋本環奈。だいぶ前からすごく騒がれていた子で、僕はそれほどよく知らなかったんですが、最近、偶然すごく間近で生の彼女を拝む機会があったんですよ。やばいですよあれは。作り物かよと思うぐらいのキュートさ。スタイルは決してよくないですが、はっきりいって自分のような人間がふいにそばに近づいたら神々しさのあまり肉体が滅ぶんじゃないかと思ってしまうぐらい。

 そんな橋本環奈の演技はどうだったか? 想像していたよりずっと良かったです。いや、可愛いから贔屓してるんじゃないからな!可愛いから贔屓してるんじゃないからな!

 恐らく監督の前田弘二の意図で順撮り(通常、映画は物語の進行順に撮影するわけではないが、あえて最初のシーンから順番に撮っていく方法)をしていると思うんですけど、彼女の演技はどんどんよくなっていく。アドリブと思しき長回しのシーンなんかはさすがにまだ拙さを感じてハラハラするものの、彼女に度胸があることは確かです。映画の中の星泉がヤクザとしては素人としても度胸だけで悪に立ち向かう、そしていろいろなことに揉まれながら(変な意味ではない)成長していくという姿が、橋本環奈という度胸ある「新人女優」の成長とダブってくる。

 彼女の脇を固める共演陣の中心にいるのが長谷川博己ですが、『進撃の巨人』や『劇場版 MOZU』とは違って、今回の彼はかっこいいし色気がある。正直映画の中では泉が月永に惹かれていく過程がもう少しよくわからないんで、終盤のあれはどうも微妙でしたが、男が上半身裸になる→美少女が戸惑うというテンプレ的な展開には萌えました。

 前田弘二監督についてはあまりよく知らなかったんですが、予習という意味で観た『婚前特急』はとても面白かったですよ。吉高ちゃんが可愛くてムカつく主人公を好演していて最高です。

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 前田監督は僕と同い年なんで、角川映画についてはそれほどリアルタイム世代でもないと思うんですが(どっちかというと宮沢りえが主演した『ぼくらの七日間戦争』世代かな)、今回の『卒業』にはかなり薬師丸版のオマージュ的な演出も入れ込んでいると思います。

 例えば相米慎二がよく多用していた長回し相米慎二ほど異常な凝り方ではないし役者を追い込みまくったわけでもないと思いますが。あと、ストーリーの荒唐無稽さすらオマージュしてるんじゃないかと。今回脚本は高田亮が手がけてるんですが、この人って『婚前特急』で前田監督と共同執筆してるだけでなく、『そこのみにて光輝く』とか『きみはいい子』なんていうものすごくきちんとした作品の本も書いてるんですよ。だから、「これは角川映画だから多少のご都合展開とかについては気にしなくていいんだ」と割り切ってるんじゃないかと思います。月永が刺されそうになるかと思いきや「えいっ」てチンピラがシャツをナイフで切るだけのとことかね。それから小ネタでいえば、薬師丸版で出てた柄本明の息子の柄本時生がチョイ役で今回出てたり。

 再び橋本環奈に話が戻りますが、彼女は声がいいですね。「低すぎる」なんていう輩も少なくないようですが、いいんですよ。これで声がアニメ声だったらさらにロリロリしちゃうじゃないですか。あの容姿で声がハスキーだからギャップがあっていい。サービスカットみたいなものはそれほどないと思いますが、ラブホのバスタブで生脚晒して寝転ぶ橋本環奈というという画はなかなかよかったです。ちょっとぐらい、脚が短くたっていいじゃない……にんげんだもの。

 というわけで、映画としてのバランスはあまりよくないものの、橋本環奈を鑑賞するための作品としてはそれほど悪くない出来だと思います。今回大コケして彼女の主演映画の企画が持ち上がらなくなったりしたら、それはもったいない。上手に育てていけば彼女はいい女優になると思いますよ。

 ただね、例の「カイカン」……そんなとこに持っていく意味ある? 2ちゃんで見かけた意見だけど、やっぱり『セーラー服』ではなく『ねらわれた学園』とかのリメイクのほうがよかったんじゃないかな。なんにせよ橋本環奈が可愛いうち、旬なうちに、今しか撮れない素晴らしい青春映画を誰か撮ってあげてください! 経験を積めばもちろんある程度うまくなるけど、今の時期にしかない危うくて儚い彼女の魅力を誰かがすくってあげてほしい。

 橋本環奈ちゃんは天使!