ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『007 スペクター』を観た

f:id:q050351:20151120003108j:plainSpectre/イギリス、アメリカ/148分

監督:サム・メンデス
脚本:ジョン・ローガン、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ジェズ・バターワース
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集:リー・スミス
音楽:トーマス・ニューマン
出演:ダニエル・クレイグクリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥ、ベン・ウィショーナオミ・ハリス、デイヴ・バウティスタ、モニカ・ベルッチレイフ・ファインズ ほか

 

 前作『007 スカイフォール』は映画館で観たあとブルーレイも買ったほど好きです。観直してみたらいろいろ不自然に感じる部分もあったんですけど、まあ『007』ってもともと荒唐無稽な映画だと思うし。

  今回の『スペクター』、まず感じるのは前作よりも全体的にトーンが明るいということ。コミカルなシーンが多いし、撮影もロジャー・ディーキンスからホイテ・ヴァン・ホイテマに変わって明るめな画が増えたと思います。ちなみにホイテ・ヴァン・ホイテマは、『her/世界でひとつの彼女』の撮影監督でもあります。

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 最初はあまりホイテマらしさを感じなかったんですけど、ジェームズ・ボンドモニカ・ベルッチ演じる未亡人が2人になるシーン、あそこの異常なほどのシャローフォーカスとか、自分の目がおかしくなったんじゃないかと思う人もいるんじゃないかな。それから、ボンドが大ピンチを迎えるシーン、あそこのハイキーな画もホイテマっぽい!て気がしました。どっちかというと『007』シリーズにはディーキンスの方が合ってるっぽいですけど、やっぱりホイテマの画は好きです。ハリス・サヴィデス亡き今、一番気になる撮影監督かも。あ、でもエマニュエル・ルベツキ(『ゼロ・グラビティ』)という人がいたか…。

 さて、少しマニアックな話をしてしまいましたが、この『スペクター』、やっぱりダニエル・クレイグがボンドを演じる最後の作品になるんじゃないかと。詳しくはネタバレになるんで書きませんが。

 あらゆるところでシリーズ過去作へのオマージュが出てきます。ダニエル版007以外はショーン・コネリーの『ゴールドフィンガー』ぐらいしか観てないにわかな僕が言ってもあまり説得力はありませんが、たとえばマティーニのとことか、アストンマーチンのくだりとか、「license to kill」っていうセリフが出てくるとことか……007ヲタなら他にも色々気づくのかも。

 

 少し上に書きましたが、コミカルなところも過去作を踏襲しようとした結果なのかも。一部で言われてたように、クレイグ版の『スカイフォール』はちょっとシリアスになりすぎてましたからね。僕は嫌いじゃなかったですが。ただ、友人は『スカイフォール』の暗い感じが好きだったので今回の“軽い”ノリはあまり好きじゃなかったと言ってました。

 そうそう、今作はオープニングもクラシックな感じで決めてきましたね。あの、銃口の向こうでボンドが歩いてるやつですよ。ただ、次のアヴァンタイトルってやつですかね。あれは微妙でした。まあ悪の組織スペクターが出てくるのでわからないわけではないんですが…でもあれって、西洋圏の人たちからしたら日本人ほど違和感は感じないのかもしれませんね。タコって確か悪魔の動物みたいなふうに思われてるでしょ? だから邪悪の象徴に見えるのかも。日本人は「タコ」と聞くと田代まさししか想像しませんからね。まあ、あれはあれで邪悪か。ちなみにサム・スミスが歌う曲ももうひとつです。というかアデルの「スカイフォール」が良すぎたから、どうしても比べられてしまう部分はあるんですけど。

 今回クリストフ・ヴァルツが悪役で出てるので、『イングロリアス・バスターズ』みたいな演技を期待する人もいるかもしれませんが、ちょっと肩透かしをくらうでしょうね。序盤、ライティングで顔がはっきり見えないようにしてさんざん思わせぶりにしていた割には、結構小物な悪役になっていて、あんまりかっこよくありません。『イングロ』も『ジャンゴ 繋がれざる者』も『おとなのけんか』も良かったんですが、今回のクリストフ・ヴァルツは割りと普通のおっさんい見えます。 

 

 

 それから、『007』でこれを言ってもしょうがないかもしれないけど、ボンドが民間人巻き込むような行動をしすぎですよ。特にヘリが絡む2シーン。いくらなんでも後先考えなさすぎ。スタローンの映画じゃないんだから。

 ボンドガールが今回2人いることが話題になってますが、メインはレア・セドゥで、モニカ・ベルッチはほぼチョイ役です。やはりBBAだからでしょうか。あ、年齢といえば、前作でボンドがもうJJIだってことがさんざん言われてたのに今回すごく元気ですね。

 というわけで色々突っ込みどころが多いんですけど、観てて不快感のようなものは感じませんでした。まあなんというか、「なんといっても『007』だしなあ…」というよくわからない寛容さが自分の中に生まれていて。『スカイフォール』しか観たことがない人が観るとがっかりするかもしれませんが…。これがもし『ボーン』シリーズの最新作だったらだめだこりゃってなるんですけどね。

 それにしても、ミスター・ホワイトって言われて「は? 誰?」って思った人、僕だけじゃないと思うんですけどね…ダニエル・クレイグ版全部観てても「は? 誰?」ってなるんじゃないでしょうか。『カジノ・ロワイヤル』はやっぱりマッツ・ミケルセンがボンドの金玉を殴るシーンが一番の見どころですし。

 ま、そんなつまんない映画じゃないと思いますよ。あんまり期待しすぎなければ。