ぼくは性格が悪い

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『ヒトラー暗殺、13分の誤算』を観た

f:id:q050351:20151031181401j:plainElser/ドイツ/114分

監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
脚本:フレート・ブライナースドーファー、レオニー=クレア・ブライナースドーファー
撮影:ユーディット・カウフマン
音楽:デヴィッド・ホームズ
出演:クリスティアン・フリーデル、カタリーナ・シュットラー、ブルクハルト・クラウスナー、ヨハン・フォン・ビュロー ほか

1939年11月8日、ドイツ。ミュンヘンビアホールでは、ヒトラーによる毎年恒例のミュンヘン一揆記念演説が行われていた。やがて悪天候のため、ヒトラーは予定より早く演説を切り上げ退席する。その13分後、会場に仕掛けられた時限爆弾が爆発し、8人の犠牲者を出す。実行犯として逮捕されたのは、ゲオルク・エルザー(クリスティアン・フリーデル)という36歳の平凡な家具職人だった。ヒトラーは、エルザーの背後に何らかの大がかりな組織があると確信し、秘密警察ゲシュタポに徹底した捜査を指示する。どんなに過酷な取り調べにも、単独犯との主張を曲げないエルザーだったが…。(allcinemaより)

 チネチッタで鑑賞。

 監督のオリヴァー・ヒルシュビーゲルは『ヒトラー 〜最期の12日間〜』の監督です。そうです、あの総統閣下シリーズの元ネタ映画です。

もうすぐクリスマスなのでとりあえず↓をどうぞ。

 

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 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』の主人公ゲオルクを演じているのはクリスティアン・フリーデルという人で、この特にイケメンでもない俳優さんはミヒャエル・ハネケの『白いリボン』に出てました。

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 確か村の教師役。ほんと地味なルックスなのであまり印象がない。

 映画はいきなりヒトラー暗殺(未遂)のシーンから始まります。ヒトラーって何度も暗殺されかけてるんですが、どれも悪運の強さで免れてるんですよね。

 僕が嫌いなブライアン・シンガーの監督作『ワルキューレ』なんかもヒトラー暗殺(未遂)について描いた映画です。

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 なんでも↑の映画、『戦場のピアニスト』に出てくるドイツ人将校役を演じたトーマス・クレッチマンが主役を演じる予定だったらしいのですが、どういうわけかトム・クルーズにかっさらわれてしまったということ。

 さて『ヒトラー暗殺、13分の誤算』ですが、人体損壊描写等はないものの結構見ていてつらい場面が出てきます。暗殺に失敗し捕まったゲオルクが拷問されるシーンですね。まずスプリングなどをむき出しにしたベッドに張り付けられ、鞭でしばかれまくります。拷問の前にゲオルクの顔のところに洗面器(バケツだったかな)が置かれるんですが、これはゲロを受け止めるためのものなんですね。なんだこの嫌すぎる用意周到感。背中が血まみれになるほど殴られたあとは、熱した針のようなものを爪の間に入れられるという、想像しただけでげんなりする拷問が待っています。

 尋問を担当しているのは、アルトゥール・ネーベとハインリヒ・ミュラー。どちらも実在の人物です。僕がこの映画で一番気になったのは、ネーベというキャラクターの複雑さです。彼は秘密警察の人間らしく冷酷にゲオルクを追い詰めていくのだけど、どこかに葛藤を抱えているように見える。与えられた仕事だから徹底的にやるものの、表情を見ていると“もうこんなことはごめんだ”と思っているような気もしてくる。ウィキペディアを読むとわかるのですが(ネタバレになるので映画を観てから読んだほうがいいかもしれません)、やはり彼は謎の多い人間だったようです。ブルクハルト・クラウスナーという俳優が演じていますが、ネーベというキャラクターの複雑さを微妙な表情の演技だけで表現している。

 正直に言って、僕はゲオルクよりもこのネーベのほうが気になってしまいました。彼が主人公の映画を観てみたいと思ったぐらい。主人公のゲオルクは、最初は「暴力では何も解決しない」と言っていたのに、無関係の人間を巻き込む可能性のある爆殺という手段を選ぶんですね。このあたりがちょっとよくわからなかったというか…。恋に落ちた人妻が暴力を受けるのを見て、何かが彼の中で変わったのかもしれませんが。

 ダメな映画ではないのですが、史実を描く際の難しさのようなものも感じた作品でした。これは昨日観た『エベレスト 3D』についても同じことがいえますが。とはいえ『ヒトラー 〜最期の12日間〜』はものすごく面白かったんだけどなあ。あれはヒトラーという強烈なキャラクターが主人公だったからなのかな。