ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『わたしの名前は...』を観た

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Je m'appelle Hmmm.../フランス/126分

監督:アニエス・トゥルブレ
脚本:アニエス・トゥルブレ
出演:ルー=レリア・デュメールリアック、シルヴィー・テスチュー、ジャック・ボナフェ、ダグラス・ゴードン ほか

父親から性的虐待を受けている12歳の少女セリーヌ(ルー=レリア・デュメールリアック)。ある日、学校の自然教室に参加した彼女は、訪れた海辺でたまたま停まっていた長距離トラックに忍び込み家出を企てる。運転手の中年男ピーター(ダグラス・ゴードン)はスコットランド人で、言葉はほとんど通じない2人だったが、少しずつ心を通わせていく。やがて少女の失踪は大きな事件となり、そのニュースはピーターの耳にも届くのだったが…。(allcinemaより)

映画『わたしの名前は...』公式サイト

 アップリンクで鑑賞。

 監督のアニエス・トゥルブレとは、ファッションデザイナーのアニエス・ベーのことです。ちなみにボーダーを着ていくと鑑賞料金が1800円から1500円になります。別にアニエスのボーダーじゃなくても大丈夫です。無印だろうがしまむらだろうが。

 ファッションデザイナーが撮った映画といえば、トム・フォードの『シングルマン』は傑作でした。と前にもどこかで書きましたね。

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 『わたしの名前は...』は、エールの片方が音楽をやってるとか、ソニック・ユースの楽曲が使われてるとか、ジョナス・メカスが一部撮影で参加してるとか、いろいろと「おしゃれでアート」な香りがぷんぷんしていたので警戒していたのですが、ストーリーが僕好みだったので観に行くことにしました。といっても別にロリコンではありません。

 上映時間が120分を超えていることを知っていたので、“なんかストーリーがあるようなないような感じで、時折おしゃれなんだろうなあ。眠くなったらどうしようかなあ”と心配していたのですが、杞憂でした。思っていた以上に話の筋はしっかりしています。物語の着地点も、“やっぱりおしゃれでアートだからふわっとした終わり方をするんだろうな”と思っていたのに、良い意味で裏切られました。

 映像的には、やはり“赤”が目につきます。運転手のおっさんの愛車だったり、主人公セリーヌの服はもちろん、随所にいろんなところで赤がワンポイントで入ってきます。それだけに結末近くのアレはあまり赤が強調されていなかったので少し意外だったのですが。あざといからやめたのかな。

 あと、この映画は映像フォーマットが途中でいろいろ切り替わります。基本はビスタ(たぶん)のデジタル(フィルム?)なんですが、モノクロになったり、16mm(8mmかも)になったり、デジタルスチルっぽくなったりします。でもそれが特に嫌味な感じじゃなく飽きない程度に織り交ぜられてくるので、観ていて“はいはいおしゃれおしゃれ”とつぶやきたくなるようなことはありません。

 中盤には白塗りの舞踊家カップルとか放浪の哲学者が出てきて「炎は愛だ」とか言い出したりして、このへんはいかにもフランス映画っぽいなあとは思ったのですが、それほど退屈ではないです。白塗りの連中がいきなり出てくるということで、相米慎二の『台風クラブ』を思い出したりしましたが。あれ? それは『セーラー服と機関銃』だっけ?

 話自体は結構重い内容なのですが、青空に映える赤とか、少しだけ含まれているユーモアとか、運転手とセリーヌのやり取りとかが可愛くて、そんなに落ち込むような内容ではありません。と思わせておいてからのー!というのはありますが。あそこはアニエス姐さんに「ただのおしゃれで可愛い映画だと思ってたでしょ? このメルドー(糞)が!」と罵られた気分でした。

 とにかく、ぷんぷん漂うおしゃれ臭に気後れして観に行かないでいる人は、物語の筋書きを読んで興味が持てたらボーダー着て映画館行ってみたらどうでしょうか。少なくとも僕は、フランス映画にしては眠くならずに最後まで集中して鑑賞できました。なかなかの拾い物、といった感じです。

 ちなみに、僕はアニエス・ベーの服は一着も持ってません。だって高いんだもの。