ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『恋は雨上がりのように』は素敵なマンガだと思いたい

 コミックナタリー大賞第2位に選ばれた『恋は雨上がりのように』というマンガにハマっています。

comic-award.natalie.mu

  物語の中軸は、17歳の女子高生と45歳のさえないファミレス店長のラブストーリーです。少女マンガ雑誌ではなく月刊スピリッツに連載されてるので、どっちかというとターゲットは17歳のJKではなくおっさんでしょうか。これが少女マンガだとおっさんのほうがイケメン大学教授だったりするんでしょうけど、『恋は雨上がりのように』の店長はバツイチ子持ちでおまけに10円ハゲもあるただのオヤジです。そしてそんな店長にぞっこんなのが、橘あきらという長身黒髪ロングのクールビューティー少女。彼女は店長の働くファミレス「ガーデン」でウェイトレスのアルバイトをしています。

 
 もうこの時点で「おっさんのかんがえたさいこうのらぶすとーりー」て感じですが、作者の眉月じゅんさんはどうも女性ぽい。随所に出てくる叙情的な表現が、このマンガをただのおっさんの妄想と一線を画した物語に昇華しています。たとえば、タイトルにも含まれている「雨」を、物語の展開や登場人物の心象風景と絡めてくる点。補習を終えたあきらがクソ暑い中学校からバイトに向かうまでの道のりを淡々と描いただけのエピソードもあります。絵柄は全然違いますが、今日マチ子の『みかこさん』を思わせる雰囲気があります。
みかこさん(1)

みかこさん(1)

 
 失礼ながら、絵は決してうまいとは思いません。絵柄自体も一昔前の雰囲気で、決して流行の路線ではない。ただ、あきらの表情やリアクションの見せ方がとにかく絶妙。たとえば、ひょんなことから店長の車の助手席に乗った彼女を描いたコマ。このコマは店長からの主観ショットなわけですが、窓を伝う雨、暗がり、そして制服を着たあきらのあどけない表情がえもいわれぬエロスと背徳感を生み出しています。そして、店長とデートの約束を取り付けたあきらが足をバタバタさせて喜びを表現するさまの愛らしさ。僕も読みながら足をバタバタさせてしまいました。キメェ。
 
 それはともかくこれらの表現は、あきらが普段はクールであまり感情を表に出さないキャラであるからこそ生きている表現です。魅力的なキャラクターはほとんどの場合なんらかの意外性、ギャップを持っているものですが、彼女も例外ではありません。
 
 あきらが28歳も離れた店長に恋をする(らしい)きっかけは、第8話で描写されますが、このエピソードだけでは少し納得がいかない気もします。劇中では、さりげなくあきらに父親がいないぽい(死別か離婚かはわからない)描写もあるので、父性を求めているのかもしれません。でも、これは短絡的なつまらない発想ですね。そもそも店長は父性を象徴するような強いキャラではないですし。
 
 周囲のキャラに目を向けると、アマゾンの2巻レビューでボロクソに書かれているちゃらい大学生・加瀬の存在は結構重要ではないでしょうか。彼はこの物語を客観的に見つめる役目を負っています。少しイジワルなので腹が立つのもわかりますが、彼は目の前が見えなくなっているあきらと、目の前が見えすぎている店長の間に立ってバランスを取る存在です。「こんなことあるわけねーだろおっさんども、夢見てんじゃねーよ。あんたにも17歳の女子高生が恋してくれると思った? ねえ思った?」と、しばし冷静にさせてくれるキャラクターです。単なる当て馬キャラではありません。

 さて、はてなブログで現代のさえない男どもをばっさばっさ斬り捨てている女性たちからの格好の攻撃対象になりそうなこの作品。それほど長く続くお話とも思えない(ずっと読んでいたいけどダラダラと続けてもよくない)ので、すでに映像化を視野に入れている人たちは多いのではないかと思います。先にアニメになってから実写化か、もしくはいきなり実写化か。

 実写化が避けられないのなら、女性監督に撮ってほしいです。このお話は男が撮るべきじゃないと思う。「ふがいない僕は空を見た」のタナダユキさんとか「東南角部屋二階の女」の池田千尋さんなんてどうでしょうか。もしくは「人のセックスを笑うな」の井口奈己

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 店長役は誰がいいですかね。ぱっと浮かんだのは遠藤憲一とか松重豊ですが、この2人だと顔つきにインパクトがありすぎるし実際には50代。で、40代半ばの男性俳優を調べてみたんですけど、福山雅治とか西島秀俊とか竹野内豊とか……どいつもこいつも40半ばとは思えねえ! 堤真一とかでもやっぱりかっこいいしなー。あと、あきら役も問題ですね。ゴリ押しで演技力ゼロな女優もどきに演じられたら萎える…やっぱり実写化なんて考えたくねえ。アニメでいいやアニメで!

恋は雨上がりのように 3 (ビッグコミックス)
 
 ↑1、2巻はKindleで買ったけど3巻は発売日を待ちきれず紙で買った模様。
 
 女性がこのお話にどういう感想を抱くのか気になります。「ねーわ」「おっさんホイホイ乙」「死ね」「ウジ虫」など自由なご意見をお待ちしております!