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ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』実写ドラマ版を観た。

www.fujitv.co.jp

 アニメ版は最近レンタルで一気に観ました。脚本を担当した岡田麿里の作品は『花咲くいろは』なら観ていましたが、監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里総作画監督・キャラクターデザイン:田中将賀というトリオの作品はこれが初めてです。

↑非常に面白かったです。

 で、アニメ版『あの花』ですが、確かに面白かったです。毎回毎回登場人物の誰かが泣くという展開には多少お腹いっぱいになりましたが、青春ファンタジーとしてよくできた作品で、エンディングテーマの「secret base 〜君がくれたもの〜」がまたいいところで流れるんですよね。

 正直にいって、この作品の魅力の3割ぐらいはこの曲が担っているんじゃないかと思います。しかもオリジナルのZONEのヴァージョンよりもこちらの方がアレンジがいいんですよ。

 で、実写ドラマ版ですが、キャストが公開されたときに「そんなにひどいことにはならないんじゃないかなあ」と感じました。ドラマ化自体は「やっぱりやるのか。安易だなあ」とは思ったものの、キャストは皆それほど有名ではない、むしろこれから売りだしていく人たちです。

 例えばじんたん役の村上虹郎は映画好きな人なら結構知ってるでしょうけど、アニメとかドラマしか観ない人はほとんど知らないはずです。せいぜい「UAムラジュンの息子かあ」ぐらいの認識かと。でも、村上虹郎の演技がうまいかどうかはともかく、彼の佇まいはじんたんと非常に近い気がするんですよね。

 あなる役の松井愛莉も結構ハマっていたと思います。あなるはアニメ版で僕が一番好きなキャラクターなので(ルックス的にも立ち位置的にも)、全然イメージの違う人(ゴーリキーとか)が配役されていたらこのドラマは観ていなかったかもしれません。強いていえばおっぱいと露出度が足りなかったのが残念ですが…。

 ぽっぽ役の高畑裕太もぴったりでしたね。あの、ちょっと押し付けがましくてウザいんだけど憎めないキャラを見事に演じていたと思います。つるこ役の飯豊まりえは、アニメ版の早見沙織の声のイメージがあまりに強かったので少し違和感も感じたのですが、まあ特に問題はなかったかと。

 一番不安だったのは、めんまとゆきあつです。めんまはいかにもザ・アニメ!なキャラなので実写にするとかなり浮くんじゃないかと思いましたし、ゆきあつについては志尊淳の声が高めなので、アニメ版の櫻井孝宏のイメージとの違和感がでかいんじゃないかと。

 実際、めんまは観ていて少しつらいシーンもありました。ていうか、アニメ版ですら「こんな奴はいねーよ」なキャラなので、どうしたって浮くのです。演じている浜辺美波がちょっと気の毒になりましたが、それでも作品の世界観を壊すほどではない。彼女が演じためんま茅野愛衣めんまとはまた別の意味で成立していたと思います。ていうかめんまをそのまま演じられる人間なんていねーから。大竹しのぶでもメリル・ストリープでも二階堂ふみでも無理だと思います。

 ゆきあつに関しては杞憂でした。特に女装のところは良かったです。単なるイケメンだと思っていた志尊淳ですが、号泣するシーンはとても力が入っていてこちらも引き込まれた。結果、このゆきあつもアリだなと思えました。アニメ版のゆきあつはちょっと大人びすぎている気もするんですけど、志尊淳が演じているゆきあつは等身大の高校生という感じがするのです。

 そういえば女装シーンの最後に無限大マークをめんまが描くところ、あれってアニメ版にはなくてコミック版にはあるシーンだそうですが、これを実写に持ってきたアレンジは正解だったと思います。スタッフは『あの花』という作品全体をちゃんと研究しているんじゃないかな、と。

 音楽もアニメ版で使われていた劇伴を採用しているので、ファンからすれば「ちゃんと配慮してくれてるなあ」と思わざるを得ないでしょう。悪くいえば元ネタに媚を売っているようにも見えますが、アニメの実写化という敵を作りやすい企画ですから、いざ仕方ないかと。というか、僕も単純にアニメ版の劇伴が好きだったので嬉しかったです。

 ただ、肝心の「secret base」のドラマ版ヴァージョンはあまりいただけなかったですね…。いろいろと事情があるんでしょうけど、劇伴もOPもアニメ版に合わせたのですからEDもアニメ版にしてほしかったです。最悪、オケだけでも……。それぐらいアニメ版の方のアレンジが優れていると思うので。

 ラストシーンについて。アニメ版のラストシーン、確かに感動的ではあったかもしれないのですがちょっとくどいなと感じたのも事実で。ドラマ版では尺の関係もあって程よくあっさりしていたと思います。

 総じて、それなりの出来にはなっていたと思います。ドラマだからなのかチャカチャカチャカチャカとカットを割ったり特に意味もないPOV視点のショットがあったりしたのにはちょっと辟易しましたが、原作の世界観を壊さないという配慮がそこにはありました(ま、原作通りにすればいいってものでもないとは思うのだけど)。ネットでも「案外良かった」という評価が多いようです。

 さて、ドラマの中では長井・岡田・田中のトリオによる新作映画『あそこがさけちゃったんだ。心が叫びたがってるんだ。』がさりげなく(全然さりげなくなかったけど)宣伝されていましたね。主役の声を務めている水瀬いのりも『あの花』ドラマ版にカメオ出演していました。

 今日はその『ここさけ』を映画館で観てきたのですが、こちらもなかなか面白かったです。どっちかというとアニメファンよりも映画好きの人の方が気に入るかもしれません。感想はまた後日アップします。