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ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』を観た

日本映画

監督:樋口真嗣
原作:諫山創
脚本:渡辺雄介町山智浩
撮影:江原祥二
編集:石田雄介
音楽:鷺巣詩郎
出演:三浦春馬長谷川博己水原希子本郷奏多三浦貴大桜庭ななみ石原さとみ ほか

あらすじ:巨人が暴れる。主人公エレンが恋に破れワーワー叫んでまた巨人が暴れる。

※ネタバレあり

 川崎チネチッタで2Dで鑑賞。

 本来先週日曜日には塚本晋也監督の『野火』を観に行こうと思っていたのですが、『進撃』の前売り券をもらっていたのと、ライムスター宇多丸さんのムービーウォッチメンで取り上げられていたので急遽予定を変更。塚本監督、すみません。今週末は『野火』観に行きます。

 ちなみに、映画を観た時点では宇多丸さんの批評は聞いていません。あんまりバイアスのかかった状態で観るのもどうかなと思って。でも、まあ既に一人でバイアスかけてたんですけどね。それはち○こも左に曲がるわって話ですよ。全然関係ありませんが。

 原作は未読だったんですが、あらかじめハードルはかなり低めに設定していました。というのも、以前公開された↓

この動画を観て、「びた一文期待できねぇ……!」と思っていたからです。

 良くも悪くも、僕はここでハードルを下げることができました。下げすぎて地中深く埋まってしまった気もしますが、とにかく暗黒時代の阪神タイガースなみに何の期待もしていなかったわけです。むしろ「どれぐらいうんこ映画なのか観てやろう」って気持ちで映画館に行きました。ごめんなさい。反省してます。嘘ですけど。

 いざ観てみると、冒頭はかなりやばい雰囲気でした。宇多丸さんも指摘されてましたけど、まずセリフ回しとかがこの上なく不自然です。なんか吹替映画を観てるような気分になりました。でも、もともと原作が中世なんだか近未来なんだかよくわからないような世界観なので、「とりあえずここは今の日本とは違うんだ」と納得できました。主人公エレンに「地震じゃね?」「ちょ、これマジ巨人じゃね?」とか言われてもアレですしね。

 ただ、アルミンとミカサがエレンのもとに駆けていくところはなんだかやけに牧歌的で意味不明でしたね。なんか「アルプスの少女ハイジ」の曲とかがバックに流れそうなんですよ。そのうち『ネクロマンティック』みたいに生首の投げ合いとかするんじゃないかと思って気が気じゃありませんでした。そうなったら傑作だったんですけど。

 あと少し驚いたのが、ソウダという役で出演しているピエール瀧のことです。ヤクザから鉄ヲタまで幅広くこなす彼が、この映画ではとんでもない大根役者に見えます。これにはびっくりしました。もちろん、もともとピエール瀧がうまくないということではなくて、単に演出や脚本がまずいだけでしょう。もしくはキャスティング・ミスか。

 同じことが、シキシマ役の長谷川博己にも言えます。この人も決して下手な人ではないと思います。でもこの映画の中の彼はただのアホにしか見えません。一応言っておきますが、長谷川博己がアホなのではありません。シキシマがアホなのです。もともと原作にはリヴァイというカリスマ的なキャラがいるらしく、シキシマはこのリヴァイの代用キャラらしいのですが、これなら有吉弘行を出してリヴァイと言い張った方がまだ良かったのではないでしょうか。

 結局悪いところをあげていくと宇多丸さんの批評とほとんどかぶってしまいますね。武田梨奈の無駄遣いとか桜庭ななみの大食いキャラのさぶいギャグとか立体機動のダサさとか。

 なので、ここから褒めようと思います

 巨人の造形はなかなか良かったのではないでしょうか。映像のクオリティはお世辞にも高くないですが、逆にそのチープさが巨人のキモさを際立たせていたと思います。『ネクロマンティック』の感想でも書いた気がしますが(読み返す気ゼロ)、チープさというのはときにリアルを上回るんですね。だって、端からバカにしてた僕も巨人を観たときには正直寒気がしたんですよ。うん。だからここは良かったです。それから、原作も同じなのかわからないですが、人体損壊描写を逃げずにやってるところも良かったです。しかも演じてるの、三浦春馬ですよ? 三浦春馬の手とか足がちぎれ飛ぶなんて、思い切りましたね。ジャ○ーズなら絶対不可能かと。

 以上、褒めタイム終わり。

 ……つか今この文章書いてて思い出したけど、壁が壊される原因になった最初の人体模型超大型巨人ってどこ行ったんでしたっけ? なんか見落としたかな。まあいいや。

 確かにキモくて良かった巨人さんたちなんですけど、これ、結構バラつきがあってですね。本当に気持ち悪く仕上がってる巨人と、ただのおっさんにしか見えない巨人の差が結構大きいんですよ。ちらっとしか読んだことないけど、原作の巨人って皆無機質というか感情が無いというか、「人間に近い姿をしてるけど、やっぱり人間じゃない」っていう絶妙な造形なんですよね。それが、この実写版では「おっさんにちょっと色つけてみました」ぐらいのやつがぽんぽん出てくるから、すごく萎えるんですよ。たとえばアンガールズの片方(名前忘れた)に似た目の離れたやつ、あいつは絶妙にキモかった。ああいうキモい奴がもっとたくさん出てくればもっと観客の生理的嫌悪感を掻き立てられたのに! と残念に思います。

 まあいろいろ好き放題言いましたけど、タダ券で観た僕は「損をした!」とは感じませんでした。後編が9月に公開されるからなんだろうけど時間もコンパクトにまとめてあるし、少なくとも退屈はしない(突っ込みどころが多すぎて寝る暇も無いということでもあるが)。知人が「この映画は友だちと観に行ってワーワー盛り上がるのが楽しい作品。一人で観てもげんなりするだけだ」(僕は1人で観たんだけど……)と話していて、なるほどと思いました。他の映画で例えると『食人族』みたいな感じでしょうか。『進撃の巨人』ファンにも『食人族』ファンにも怒られそうですが。

 というわけで、タダ券で観た僕は全く損をした気にはなりませんでした。タダ券を持っていて原作へのこだわりがない人はすぐ観に行きましょう! 僕は後編のタダ券ももらえたら勿論劇場へ足を運ぶ所存です。タダ券もらえたらね。