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ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

第89回「『シェフ 〜三ツ星フードトラック始めました〜』を観た」

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Chef/アメリカ/115分

監督:ジョン・ファヴロー
脚本:ジョン・ファヴロー
撮影:クレイマー・モーゲンソー
編集:ロバート・レイトン
出演:ジョン・ファヴローソフィア・ベルガラ、ジョン・レグイザイモ、スカーレット・ヨハンソンダスティン・ホフマンロバート・ダウニー・Jr ほか

ロサンゼルスにある一流レストランの<総料理長>カール・キャスパー(ジョン・ファヴロー)は、メニューにあれこれと口出しするオーナー(ダスティン・ホフマン)と対立し、突然店を辞めてしまう。次の仕事を探さなければならない時にマイアミに行った彼は、絶品のキューバサンドイッチと出逢う。その美味しさで人々に喜んでもらう為に、移動販売を始めることに。譲り受けたボロボロのフードトラックを改装し、マイアミ~ニュー・オリンズ~オースティン~ロサンゼルスまで究極のキューバサンドイッチ を作り、売る旅がスタートした―。(オフィシャルサイトより)

 この映画の売り文句はやはり『アベンジャーズ』1と2の監督・キャスト陣が顔を揃えてるというところだと思います。

 でも、もちろんジョン・ファヴローに「メニュー勝手に変えんな、俺がオーナーじゃ」と言うダスティン・ホフマンスカーレット・ヨハンソンが投げ飛ばしたりはしないし、主人公の元嫁の元夫であるRDJ(リチャード・D・ジェイムズではなくロバート・ダウニー・Jr)がリアクターで動くトラックを一晩で作り上げたりはしません。

 もっと地味で、でもいい話がいっぱいで、テンポも良くわかりやすい。そんなにお金はかかっていないのだろうけど、細かいことを考えずに観ると本当に楽しい。まさに、主人公がフードトラックで売るキューバサンドイッチみたいな映画です。

 恐らくジョン・ファヴローからすれば、「うまいものは出してるがシェフである自分が全権を握れない」料理は『アイアンマン』やその他のメジャー大作ということになるんでしょう。

 まあそれはよくわかるのだけど、全編にわたって何もかもがうまくいきすぎなところはやっぱり引っかかりました。例えば別れた妻との関係にしたって、やけに仲が良いので「こいつらなんで別れたの?」と思ってしまうし、息子もやけにものわかりがいいんですよね。ていうかさ、最初は物珍しくて楽しめるかもしれないけど、普通ガキは成長したら放課後とか週末に親父の手伝いなんかしたくなくなると思いますよ。

 この映画はよくも悪くも「本当にイヤな奴」は出てこないんです。みんながまんべんなくいい人なんで、楽しい気分にはなれる。映画を観ていて何もかもが良い方向に転がりだすと、「このあたりで何かイヤなことが起きるな」と僕は予感するんです。でもこの作品では特にそういったことは起きません。主人公がそれほど苦境に立たされている印象がないので、その分カタルシスも小さいです。

 なんだかんだいって結構恵まれた環境にいる主人公を観ていると、「なんだかんだいって『アイアンマン』があったから今回の豪華なキャストも実現しているんじゃないか。ということはやっぱり『アイアンマン』は、あれはあれでやってよかったんだな」と思えてきます。というか、ジョン・ファヴロー自身そう思っているのじゃないかな。

 食い物描写は「飯テロ」というほどではなく、日本人の僕からすれば「深夜食堂」の方がよっぽど美味そうに見えたりもするのですが、日頃観ているアメリカ映画のクッソまずそうな食事シーンに比べれば雲泥の差がありますね。アメリカ映画でメシが美味そうだと思うことなんて貴重ですよ。深夜には観ない方がいいと思います。これ書いてて、セブンイレブンに何か買いに行きたくなってきましたもん僕。まあそれでもセブンイレブンてとこが貧乏人の哀しいところか。

 良い意味でファーストフード的な映画なので、ちょっと手軽に感動したいなという人にはオススメの映画です。