ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

第71回「『ジャージー・ボーイズ』を観た」

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Jersey Boys/アメリカ/134分

監督:クリント・イーストウッド
脚本:マーシャル・ブリックマン、リック・エリス
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス、ゲイリー・D・ローチ
出演:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ヴィンセント・ピアッツァ、クリストファー・ウォーケン ほか

ベルヴィル。そこは犯罪が日常茶飯事というニュージャージーの最貧地区。1951年、イタリア系移民が多く住むこの街で、しがないチンピラ暮らしをしているバンドマンのトミー・デヴィートは、美しいファルセットを響かせる少年フランキー・カステルチオ(のちのヴァリ)を自分のバンドに迎え入れる。フランキーの歌声は地元マフィアのボス、ジップ・デカルロも魅了し、サポートを約束する。最初は鳴かず飛ばずの彼らだったが、才能豊かなソングライター、ボブ・ゴーディオとの出会いによって大きな転機を迎える。ヴォーカルのフランキー、ギターのトミー、ベースのニックに、キーボードと作曲を担当する最年少のボブが加わり、バンド名を“フォー・シーズンズ”と改めた4人は、『シェリー』を皮切りに次々とヒットを連発、ついにスターダムへとのし上がるのだったが…。(allcinemaより)

 Blu-rayにて鑑賞。

 これも『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』同様、体調を崩していて映画館では観られなかった1本。

 イーストウッドが監督した近年の作品はほぼ好きです。あまり評判の良くなかった『ヒア アフター』とか『J・エドガー』も個人的にはお気に入りですね。

 で、今回の『ジャージー・ボーイズ』ですが、フォー・シーズンズという実在のバンドのストーリーです。イーストウッドはロックはあまり聴かないようですが、ジャズやビートルズ以前のポピュラー・ミュージックはお好きなようで。

 ですが僕はポピュラー・ミュージックってビートルズ以降が好きなんですよね。そのせいか、この映画の中で流れる音楽は「嫌いじゃないけどクリーン過ぎる」という印象があって(勿論ビートルズだって初期は見かけ的にはクリーンな音楽をやってたわけですが)、あまり心は動かされなかったです。あと、フランキー・ヴァリ役のジョン・ロイド・ヤングの歌声がどうにも苦手で…「お前のヴォーカルマジ最高」みたいな話をしてても「そうかなあ…」としか思えませんでした。

 ストーリーとしてはよくあるパターンで、底辺からのし上がったグループが成功するもいろいろな事情で分裂し、そして…という「栄光と挫折」実録ものです。元々は有名なブロードウェイのミュージカルなのですが、日本ではほとんど知られてなかったようです。タモリほどではないにせよミュージカルに少し抵抗がある僕なんか全く知らなかったですしね。「ジャージー・ボーイズ」というタイトルを見て、「ジャージ着た悪ガキ」たちの話かと一瞬本気で思ったぐらいですから。

 アメリカではほとんど評価されず冷遇された本作ですが、日本では高評価。ここ最近のイーストウッドの作品と同じです。特にキネマ旬報イーストウッド作品はほぼ毎回ベスト10に入ってきますし、この『ジャージー・ボーイズ』に至っては2014年の1位でした。

 アメリカと日本での評価の温度差の理由については、映画のタイトルでググるともっと事情に詳しい人のもっと丁寧な文章が読めるので、そちらを読んでください。すると、「オリジナルのミュージカルはもっと凄いんだぜ、だからミュージカルの方も見ないで高評価つけてる奴らは何もわかっちゃいないぜ」としたり顔をすることもできます。でも僕なんか元ネタ観てないし多分観ることもないから(タモリじゃないけど)、やっぱりこの映画をどう評価していいのかわかりません。

 映画単体としては、クライマックスで話が急に進むのでちょっと唐突な印象がありました。あれだけメンバー間の関係が悪くなって、どうやって修復するんだろうと思ってたら、なんかいつの間にか和解して一緒に歌ってるんでびっくり。で、『J・エドガー』でもそうだったけど、ハリウッド作品にしては出来が微妙な老けメイク。このあたりもミュージカルと同じなのかはわかりませんが、オーソドックスな「栄光と挫折」ものにしてはちょっと終盤が性急です。

 ただ、特に興味のないミュージカルが元ネタで、興味のないバンドが主人公なのに、眠くなったりはしないんですよね。なんだかんだいって、2時間超えでも長さを感じさせない。このあたりはさすがイーストウッド、というところでしょうか。ちなみに彼は途中でおちゃめなカメオ出演をしています。

 役者陣については、フォー・シーズンズの誰よりもクリストファー・ウォーケンの存在感が抜きん出てたところがやはり特筆すべき点でしょうか。まあ当たり前といえば当たり前なんだけど、この人がうつると画面がしまるしまる。だから最後にみんなで歌って踊るシーンでウォーケンが踊ってると、もうそれだけで「合格!」(何様)て言いたくなっちゃうんです。

 最後にトリビア的な話。途中で「のちのジョー・ペシである」人が出て来ますが、このジョー・ペシが後に『グッドフェローズ』で演じる役がフォー・シーズンズのトミー・デヴィートと同姓同名なのは「全くの偶然」だそうです。