ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

第67回「映画館で見たいろんな客」

 最近忙しくてあまり映画が観られていません。

 一応山田洋次の『小さいおうち』を観たのですが、やっぱりこの監督の映画はあまり好きになれないと思い、原作を読み返しているところです。気が向いたら読み終わってからここで映画の感想を書くと思います。

 で、今日のは、いつもお世話になっている(変な意味じゃないです)くつしたさんのこの記事を真似して、これまでに自分が映画館で遭遇したいろんな客のことを書いてみたいと思います。てか、くつしたさん、楽器もないのにAmってキーがわかるということは絶対音感でもあるのかなあ。

◎アンチ・エヴリシング
 当時つきあいたての女性とTOHOのシャンテに『(500)日のサマー』を観に行った時のことです。僕らの後ろに四十後半〜五十代の夫婦?かと思われる男女が座っていたのですが、上映前に席についてから、女性の方がずーーーーーーーーーーっと男性にぶつぶつ何か文句を言ってるのです。
「もう、だってあれじゃない、だからやんなっちゃうのよ、え? 違うわよ、そういうことじゃないでしょ、もうほんとなんでこうなるのよ、だから嫌だっていったのに、え? そんなこと私のしったことじゃないわよ、もう、嫌だわ、早くすり潰さなきゃ(以下まだまだ続く)」
 女性の声は特に大きいわけではなかったのですが、とにかくそこかしこに餅投げのごとくネガティヴなエネルギーをばらまいており、僕等も含めた周囲の人達の表情にはずっと縦線が入っていました。
 少し待てば収まるかなと思っていたのですが、そんな希望的観測は裏切られ、よくもまあこんなに切れ目なく世界に呪詛を唱えられるなと感心してしまうほどでした。そして、横にいる男性は「まあそうは言ってもさあ…」などと言うのですが、アスファルトにタイヤをきりつけるような女性のディストークを止めることはできず、結局しゅんとしてしまうのです。
 本編が始まってもまだこの調子だったら注意しようと思っていたら、近くにいた男性が「外でやってくださいよ」と注意し、女性はあっさりと黙りました。
 今もその時も思ったことですが、あれは何らかの精神疾患だったのかもしれません。僕も基本的に愚痴が多い人間で、「横須賀線武蔵小杉駅を無理矢理接続したバカは死ね」とか「品川駅のホームのアナウンスはうるさすぎる」とかいつもしつこく言ってますが、このシャンテで見たババア女性ほどの体力はありません。放っておけば心臓が止まるまでずっと愚痴っていそうな勢いだったのです。多分病気だと思うんですが、そんな精神疾患あんのかな。

◎独り言をいう人
 最初の女性と似てるようですが、ちょっとテイストが違います。チネチッタに『ゼロ・ダーク・サーティ』を観に行った時のことでした。僕の隣りの隣りに座った、映画なんてあまり興味のなさそうな、耳に赤えんぴつ挟んでそうな雰囲気の初老の男性が、ウォン・カーウァイの『グランド・マスター』の予告が流れたところで「うん、これは、観ないな」と、周囲の誰もが聞き取れる大きさの声で独り言を言ったのです。
 その時の僕は「変な人だったらやだなあ」と思ったのですが、同時に「うん、俺も、観ないな」と思ったので、少し複雑な気持ちになりました。
 その後本編が始まると、今度は唐突にオサマ・ビン・ラディン…!」とその男性は言いましたが、後は黙ってくれていました。

◎やらせはせん、やらせはせんぞおおおおお
 『超能力研究部の3人』をチネチッタで観た時のことです。映画が面白くなってきたところで、僕の左斜め前に座った初老の男性が突然身体をビグゥ!と痙攣させ始めたのです。いや、それは痙攣というよりは、何かムカつく奴の顔が前方数十センチぐらいのところにあって、そいつをぶん殴ろうとするんだけど悉く避けられてしまう、というような雰囲気でした。でも勿論、その男性の前に某元航空幕僚長の顔が浮かんでいたりするわけではありません。
 その後もしばらくビグゥ!が続くので、もしかしたら癲癇とかなのかもしれないと思い、倒れたりしたら係員を呼ぼうと決めたのですが、しばらくすると全くビグゥ!らなくなりました。多分秋元真夏たんが可愛かったからだと思います。やっぱり大正義だなあ。

◎カッパ
 チネチッタで『かぐや姫の物語』を観た時。横に座ったカッパみたいなオヤジが臭かったです。以上。

 最後に、微笑ましかったお客さん。
◎ええか、ええのんか
 新宿ピカデリーに『戦火の馬』を観に行った時のことです。劇場はほぼ満員で、僕から2席ほど横に隔った位置に3人ぐらいのおばちゃんたちが座っていたのですが、この人たちの映画に対する反応がいちいちヴィヴィッドで凄く面白かったです。
 この映画は第一次大戦で戦馬として徴用されてしまったジョーイという名の馬が主人公なのですが、このジョーイがピンチに陥るとわかりやすくハラハラするし、コメディ・リリーフとして出てくるガチョウ(アヒル?)が何かコミカルな動きをするとアッハッハと笑うのです。
 中でも、映画のクライマックス、塹壕戦でジョーイが有刺鉄線に突っ込んで倒れるところでは「はあああっ!!!」と声を漏らすので、僕はちょっと笑いそうになりました。ディズニーの映画を見てる幼児じゃないんだから。でも外国と比べて神妙に映画を観る人が多い(というかそうしないと睨まれそう)日本では、こういう人たちはレアです。それでいて、迷惑だとは全然感じないのです。映画を観た後、なぜかあたたかい気持ちになってしまいました。恐らくそう思っていたのは僕だけではなかったはずです。

 以上、「映画館で観たいろんな客」でした。今後もまた変な客に出くわしたら書くと思います。