ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

第33回「俺の写真」

 人はその生涯のうち3度のモテ期を経験するという。あれ、2度だっけ? まあいいや。

 筆者にもモテ期がやってきたことがあった。高校生の時だ。なお、それ以降モテ期は訪れない模様。

 ともかく、高校に入ってから急にモテたのには誰あろう本人が一番びっくりした。中学までまったく恋愛に縁がなかったのだから。

 初めての彼女もでき、別れ(超凹んだ)、3年生になったころだ。

「お前のことつけてる女の子がいる」と友人に教えられた。その女の子は下級生で、全校集会があった後などに、確かにこちらを見てキャッキャ言っている姿を見たことがあった。筆者ではなく筆者の友人を追いかけているのかと思っていたのでちょっと驚いた。顔はよく覚えてないがなかなか可愛い子だった気がする。

 しかし相手は話しかけてきたりしない。今思うと、筆者のことが好きというよりは、単純にそういう行為そのものが楽しかったのだろう。

 そんなある日、同級生の女の子に声をかけられて「写真を1枚撮らせてくれない?」と言われた。聞けば、「後輩の女の子に頼まれた」ということだった。その後輩が例の、筆者を尾行していた女の子だったのかはわからない。

 ともかく、断る理由もないので筆者は適当な場所にちょこんと座って、同級生の「写ルンです」(今の若い人知ってんのかな)で写真を撮られた。だっせえ学校指定のジャンパー着て。

「ありがとう〜」と言って同級生は去って行った。ちゃんと写ってたのかなあと不安になった。勿論デジカメなんてその頃は無いから、現像してみないとわからないのだ。白目をむいている瞬間が写っていたかもしれない。そもそも、写真なんか手に入れてどうするんだ?

 そのうち、その子は告白なりなんなりしてくるのだろうと思っていた。しかし、結局何も起きず、3年の冬に筆者は違う女の子とつきあい始めた。

 多分、彼女(尾行していた子であれ写真を頼んだ子であれ)は途中で飽きて違う男に目を向けたか、何かがあって筆者に幻滅したのかもしれない。部室にて5本の裏ビデオ(そのうち1本はハズレで『パーマン』が録画されていた)をみんなで回していたのがバレたのかもしれない。あるいは部室のある建物が絶好のパンチラポイントであったために、よく口実を作ってうろちょろしていたのがバレたのかもしれない。

 筆者の写った写真が、その名前も知らぬ女の子のもとでどういう運命を辿ったのかは知る由もない。焼かれたか、忘れた頃(彼女の嫁入り前とか)に出てきて「こんな時もあったな…」としばし過去の思い出に浸る材料になったか、「わたしの黒歴史」認定されたか、「誰?これ」と素で忘れられたか、「ドッキリだったのにネタばらししなかったんだよねーこいつマジきめー」と笑いものにされたか…。

 もう消滅してしまったかもしれない写真、もしかするとまだどこかでひっそりと眠っているかもしれない、俺が見ることはない俺の写真。そんなもののことを、なぜか夜中にふと思い出したりするのであった。