ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

第25回「『グランド・ブダペスト・ホテル』を観た」

f:id:q050351:20141113224525j:plain原題 The Grand Budapest Hotel

監督・脚本:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ、トニー・レヴォロリ、エイドリアン・ブロディウィレム・デフォーシアーシャ・ローナンエドワード・ノートンティルダ・スウィントンジュード・ロウ、F・マーリー・エイブラハム、トム・ウィルキンソン ほか

1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。


第22回「今週レンタル開始する映画 2014/11/10〜11/16」 - ぼくは性格が悪い

 ↑でも書きましたが、ウェス・アンダーソンの『グランド・ブダペスト・ホテル』、結局借りて観てみました。

 こういう映画は感想が書きにくいです。あそこが凄く良かったとか、あそこが糞だったとか、あそこが臭かったとか、良くも悪くも印象に残るシーンがあまりないのです。個人的に。

 こんなことを言うと、結構驚く人も多いかもしれません。ええっ、この映画、見どころいっぱいあるじゃん、と。でも、筆者は退屈こそしなかったものの、この映画の中で起きることがあまり心に引っかからないというか、「ふーんそうなんだー」としか思えませんでした。

 本作を形容する時に「宝箱をひっくり返したような」とか「おもちゃ箱をひっくり返したような」みたいなことを言う人は多いのですが、筆者は「宝箱」とか「おもちゃ箱」をひっくり返されてもガチャガチャして鬱陶しいなとしか思えないようです。ひっくり返すといったらちゃぶ台だろう、としか思えないし。

 確かに美術や衣装は凄いしミニチュアも面白いけど、貧乏人の筆者からすると、銀座あたりで自分には一生縁の無いン十万の洋服とかをガラス越しに見ているような感覚でした。

 要するに、あまりに自分とかけ離れたところにあるので興味が持てないということでしょうか。いくら美人が好きといっても、あまりに何もかもが完璧に整っている女性に恋をすることはない(現にそういう女性と過去知り合ったことがある)ってこととも通じるかな。実際に好きになるのは、芸能人になれるような美人ではないものです。

 誤解なきように言っておくと、この映画自体がダメだとかいうつもりは全く無いのです。でも、自分はこの作品(というかウェス・アンダーソン作品全部かも)の中に、自分のために用意されているようなものは何ひとつないのだという実感を強めるばかりでした。

 しつこく人間に喩えちゃうけど、すげーオシャレで家は金持ちで勉強できて音楽のセンスも良くてたまに写真とか撮っちゃうとまたすげえうまくて、おまけにジョークのセンスもあって女の子にいつもモテモテ、でも下校時になんかのきっかけで二人になるとあんまり話が盛り上がらない同級生って感じ。

 ウェス君さあ、ここに裏DVDが5枚あるんだけどどれか1枚取っていいよ。ただし1枚には『パーマン』が入ってるからね、みたいな話はあまりできないだろうな。

 強いて言えば、ジェフ・ゴールドブラム(事前に知ってなきゃ誰かわからなかったと思う)の指とか、脱獄時の惨死のシーンとか、ああいうところは印象に残りました。基本的には高級砂糖菓子みたいな映画なんだけど、時折ああいうピリリとしたアクセントがあるんですね。まあそれもなんだかあざとく感じてしまったりもするのだけど。

 ハーヴェイ・カイテルに全然気づかなかったので、鑑賞後どの役で出てたのか知ってちょっと驚きました。ウィレム・デフォーはなんだか吸血鬼みたいでしたね。

 今回もウェス・アンダーソンには「あぁ、俺はおしゃれにはなれないし頭も悪いし所詮は尼崎生まれの貧乏人なんだなあ」という自己認識を改めて痛感させられてしまいました。

 それでも、次作が公開されたら観ると思います。いつかおしゃれになれることを夢見て。