ぼくは性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

第4回「おっさんが少女漫画読んでみた 『シリウスと繭』編」

 

シリウスと繭 1 (マーガレットコミックス)

シリウスと繭 1 (マーガレットコミックス)

 
シリウスと繭 2 (マーガレットコミックス)

シリウスと繭 2 (マーガレットコミックス)

 

  これまでにも紹介しましたが、筆者が少女漫画を読むに当たって参考にさせていただいている「オトコでも読める少女マンガ」さん(ブログタイトルに「さん」とつけるのってどうよ)のこの記事から気になり、1話目をネットで読んでからAmazonで購入。

 筆者は少女漫画にかぎらず絵柄の好みが割りと狭いのだけど、この作品のようなシンプルな作画は好き。描き分けがもうひとつわかりにくいところはともかく、どのキャラも「超絶美少年」「超絶美少女」ではないのがいい。

 関係ないけど、主人公たちが通う高校の制服、結構変わったデザインだな。実際にあったら着る人を選びそう。

 物語の舞台はどこかの地方都市。主人公はどうもあまり成績の良くなさそうな女の子・繭子。テストの結果が良くなかった繭子は、友達のメグの仲介で、学校の女子の憧れ的存在である北見晴(ハル)に勉強を教えてもらうことに。

 繭子とは一度も喋ったことがないのに、ハルは「は?」とか言いつつもオーケー。基本的にハルは低血圧キャラ。

 女性に「は?」とか「Huh!?」とか言われたことは数知れず、女性に「は?」などと言ったことはない筆者からすると「すかしてんなあ」と思わなくもないのだけど、少女漫画にはこういう「最初はちょっと冷たくて近寄りがたい感じ」の男がお約束として出てくるので見過ごすことに。別に見過ごさなかったからといって何もできないんだけどね。相手、漫画だし。

 で、放課後に残ってハルに勉強を教えてもらう繭子。その光景を見てちょっとジェラスィーな雰囲気のメグ。ここはちょっと違和感。このシーンで「あぁ、メグはハルが好きなんだな」とわかるんだけど、そんな好きな男子に、自分の友だちに勉強教えてやってって言うかなあ、と。メグからしてみると、繭子は絶対的安牌に見えたのだろうか。おもいっきり振り込んどるやないか。

 繭子は、冒頭では「ハルはみんなの憧れ」だから遠すぎて特別な感情は抱いていなかったようだけど、案の定彼に惹かれていく。ヘッセの『車輪の下』についての繭子の感想を「あははは」と笑うハル。頬を赤らめる繭子。

 少女漫画の定番のひとつである、男子の笑顔に女子がキューンとくる瞬間。そうか、じゃあ俺も素敵な笑顔で…と思って「こんな感じかなあ?」と「アハハハ(棒読み)」って笑ってみせたら、当時(もうほとんどお互いに冷めていた時期)つきあっていた女性に「虫歯菌が脳に回ったの?」と言われた思い出。

 ともかく、繭子とハルの距離はどんどん近づき、天文学の好きなハルが夜に繭子を呼び出して一緒に天体観測したり、星の形をしたヘアピンをプレゼントしたり、こらどう考えても両想いやないかというような状況に。で、そんな状況を見かねたメグは自らのチョンボを帳消しにするために行動に出たり・・・。

 全2巻のうち、1巻は高校3年、2巻で高校卒業後の繭子たちが描かれる。2巻では1巻の最後にちらっと出てきた悠人というキャラ、そして悠人と同じく繭子と同じ専門学校に通う涼子も出てきて、
繭子-ハル-メグ
繭子-悠人-涼子
という2つの三角関係。

 ネタバレはしないけど、まあ読んでればなんとなくオチは想像がつく。ハルの過去とか、悠人やメグのキャラとしての役割とか、涼子の過去の恋愛とか、少女漫画的テンプレートに則った話だとは思うのだけど、でも筆者はこの作品の持つトーンがかなり好きです。なんとなく今日マチ子作品のような「余白」を感じるから。

 それは具体的な背景の描き込み具合とかがどうということではなく、例えばモノローグが多用されて字が多くなってもこの作品は風通しが良い。文章でいうと行間のようなものを感じるというか。モノローグがただの説明になってしまってると窮屈さを感じるわけで。

 作者の小森羊仔さんはまだ新人(?)に分類されるのかもしれないけど、

青い鱗と砂の街 1 (マーガレットコミックス)

青い鱗と砂の街 1 (マーガレットコミックス)

 

 ↑上記作品なんかは『シリウスと繭』とはちょっとテイストが違っていて、結構幅広く掛けそうな方なので期待してます。