性格が悪い

バカのくせに映画の感想とか書くブログ

「ワンダーウォール」について

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Twitter界隈で話題になっており、脚本家があの渡辺あやなので気になっていたドラマ。

ものっそい雑に説明すると、京都の今にも倒壊しそうな学生寮の存続を巡って大学と対立する学生たちの青春ドラマです。7月にNHK BSプレミアムで放送されたあと、反響に応える形で9月17日にNHK総合でオンエアされました。

渡辺あやといえば、個人的にはやっぱり『ジョゼと虎と魚たち』が印象深い(『カーネーション』は観てない)。

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ぶっちゃけ、この映画の魅力の7割ぐらいは田辺聖子の短編小説を大胆に脚色した渡辺あやの力だと思ってます。

あと、テレビで放送されたあとに劇場公開された『その街のこども』も印象深いですね。この作品を観た数日後に東日本大震災が起きたっていうこともあって…。阪神大震災を高校生のときに体験して、それを扱った作品を観た直後に今度は東京であの長ーい揺れを体感して帰宅難民になったという。不思議な運命です。

その街のこども 劇場版 [DVD]

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で、「ワンダーウォール」なんですけど、なんて言ったらいいんだろう、決して「すごく面白い」というわけではないっていうか。観てるときも観終わったあとも、どう話せばいいのかって作品なんですよね。地味だから、民放とかでは企画が通らないドラマだと思う(テレ東ならわからないけど)。

これ、やっぱ当事者じゃないとちょっとわかりにくいとは思うんですよ。あのきったなくていろいろ不便そうな寮で実際に暮らしてみないと、学生たちの切実さみたいなものはやっぱりそこまで伝わってこない。でも、あの寮のモデルになった京大の吉田寮に住んでいたわけでもないのに、渡辺あやはこういうお話を作ってるんですね。

だから、ドラマを観てるときは「そうかー、この子らは必死に寮を守りたいんだな。それはわかる。でも、自分も守りたい!とまでは思わんなあ」というのが正直な感想で。しかも10回ぐらいに分けて放送するならだんだん愛着も湧いてきそうなもんですけど、単発の60分ドラマですからね。「なんか風情があるのはわかるけど、とにかくきったないなあ」というぐらいの感覚。登場人物たちも多くて誰が主人公なのかもはっきりしないし、それぞれのキャラを濃く描いてる時間もない。

でも、観終わってみると不思議な寂しさみたいなものが残る。なんだろうなー、この感覚、と思ってたんですけど、自分が若い頃、まだ関西にいたときの空気感みたいなものを思い出したんですよね。京都に住んでいたわけじゃないし大学にも行ってないけど、友達の車でいろんなところに行ってわーわー騒いでた頃のこと。追体験しようと思ったらできるだろうけど、やっぱり二度とはやってこないあの日々の空気感。『ジョゼ』でも『その街のこども』でも、渡辺あやが脚本を書いた作品っていうのはこういう、甘噛みみたいな爪痕(爪だから噛んでないんだけど)を残していくんですよ。ずっとそこにとどまっていてはいけないんだけど、どうにも甘美なノスタルジー

それから、渡辺あやは自分で演出まで手がけるわけではないのに、『ジョゼ』にも『その街のこども』にも、しっかりと関西の空気感のようなものが刻まれている。確か『ジョゼ』は実際には関東でロケしてるんですけど、なぜか“関西感”みたいなものが刻み込まれてるんですよね。しかもそれは、ほかの土地で育った人が想像するようなコテコテのいかにもな大阪感ではない。表面的な街並みは東京やほかの地方と同じ、でも何かが違うっていう、関西の独特な雰囲気。今回の「ワンダーウォール」にも、なんか懐かしいものを感じてしまいました。

このドラマを取り上げたあるコラムでも指摘されていましたが、「ワンダーウォール」には学生運動が盛んだった60年代後半の空気感も漂っています。スマホを手にした学生たちは間違いなく現代の若者なんだけど、寮の存続を巡って闘おうとする姿勢、そして権力を前にして絶望する姿は、学生運動を取り扱った映画で観てきたかつての若者たちとかぶります。そして、岡山天音演じる学生が手近なものを使って権力との闘いを説明するシーンには、いつからか社会の構造が複雑化し、何か1つの壁を壊せば未来が開けるはずだと無垢に信じていた人々の挫折と失望を重ねて見ることもできる気がします。あと、単純に学生たちのもっさい見た目がなんか60年代ぽい気もするですよね。そのへんは意図的にそう演出したのかもしれない。

と、思いついたことをぴっぴっと書いてきたので、何が言いたいのかよくわからなくなってきましたけど、言いたいことは、渡辺あやっていう脚本家がやっぱりすごい人で、彼女の書いた物語がもっと観たいっていうことなんですよね。

news.mynavi.jp

『プーと大人になった僕』について

これをいい話と思えない自分はおかしいのだろうか?

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けっこうヒットしてるようですし自分の周りでも絶賛している人がいるんですけど、感性ゼロな僕にとってはいつものマーク・フォースター映画(何ひとつ心の琴線に触れない映画のこと。類語はスティーヴン・ソダーバーグ映画)でした。この監督って、『チョコレート』以外一度も「いい」と思ったことがないんですよね。

チョコレート(字幕版)

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007/カジノ・ロワイヤル』も『ワールド・ウォーZ』 も「すごく悪かったわけでもないけど、何かがとてもよかったわけでもない」って感じで。コンスタントに撮ってるから業界では重宝されてるんでしょうけど、顔はかわいいものの絡みがワンパターンなAV女優みたい。またAVで例えてる。

カジノ・ロワイヤル (字幕版)
 
ワールド・ウォーZ [DVD]

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で、今回もまあまったく期待はせず観に行ったんですけど、やっぱりというか、開始10分ぐらいで睡魔に誘われ始めました。隣に若い男性が座ってたんですけど、この人けっこう爆睡してましたね。勝手に「同志よ」とか思っちゃいましたよ。僕はなんとか寝ずに最後まで観ましたけどね。

この映画の何が面白くなかったのか自分でもうまく説明できないんですけど、やっぱ根っこにあったのは「お前に言われんでもわかっとる」っていう感覚で。「何もしないをする」っていうテーゼに「おお!」て思う人って、たぶん純粋でいい人なんでしょうね。ブログのタイトル通り僕は性格が悪いんで、「知ってるよ、そんなことは。でもそれができないから困ってるんだろうが」と思ってしまいます。

クリストファー・ロビンに邪険にされるプーがかわいそうとまったく思わなかったのも、なんか不思議ですね。これも自分の性格が悪いからでしょうけど、プーってなんだかあざとさを感じるんですよ。こいつ、「それでも(クリストファー・ロビンは)なんとかしてくれるだろう」っていうのが透けて見える 。

同じ熊が主人公のお話ってことでいうと、(ぬいぐるみとリアル熊という違いはあるものの)、『パディントン』シリーズは最高に面白かったんですけど。パディントンがひどい目に遭うと心の底から「かわいそう」と思うし、彼が繰り広げるドタバタは本当にハラハラさせられるんですよね。最後には感動して泣いてしまう。プーはどんだけピンチになっても「正直、どうでもいい」としか思えませんでした。

パディントン(字幕版)

パディントン(字幕版)

 

あと、僕はプーの声に違和感があったんですよ。なんでこんなジジイおじいさんみたいな声なんだろうと不思議に思っていて。そのへん、原作とかよく知らないから、何か背景があるのかもしれないけど。歳とったからジジイおじいさん声になったのかなあと思ったけど、確かクリストファー・ロビンが少年の頃も同じ声でしたよね?

声ってことでいうと、日本語吹き替え版では堺雅人クリストファー・ロビンに声当ててましたけど、これがもう全然合ってない(僕が観たのは字幕ですが)。ユアン・マクレガー堺雅人って、日本のディズニーはバカなんでしょうか。そもそもこの手のお話は、今の日本だとみんな吹き替え優先で観に行くと思うんですよ。だったら話題作りなんか必要ないんだから本職の声優を使えばいいのに、堺雅人。もういっそのこと最後のシーンで会社にやってきたクリストファー・ロビン「倍返しだ!!」って言わせりゃよかったんですよ。

まあプーの声を誰がやろうが僕はこのお話には乗れなかったと思いますけど。 これ、そんなにいい話かなあ、本当に。最後、家族全員があの世に行ったと無理やり解釈したらちょっとおもしろいかもしれないけど。

プーと大人になった僕 (ディズニーアニメ小説版)

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2018年7月期ドラマを振り返る

久々にテレビドラマをちゃんと観た夏だった。いくつかは最終回をまだ迎えていないのだが、1話でも観たものを下記に列挙し、それぞれの適当な感想を綴っていく。

義母と娘のブルース

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1話切り。巷では「泣ける」と評判のようだったが、綾瀬はるかが演じる義母のキャラクターがあまりにマンガっぽい行動を取るのでついていけんわ、と思った(まあマンガ原作なんだけど)。この義母より綾瀬はるか自身の“変さ”みたいなもののほうがよっぽど面白い…って、そういう話じゃなかったか。無責任なことを言わせてもらえるなら、宜保愛子織田無道のブルースだったら面白かったかもしれない。本当に無責任だ。

 

健康で文化的な最低限度の生活

www.ktv.jp

1話切り。視聴率も良くないそうだが、世間の「ドラマでまで辛気臭い現実を直視したくない」という気持ちの現われだろうか。自分としてはそこよりも、吉岡里帆がこういう役をやるということへの違和感が大きかった。吉岡里帆は最近「ドジで健気な女の子」みたいな役柄が多いが(事務所の意向だろうか)、「カルテット」を観てしまったあとではそういった「ドジっ子健気」が全て嘘くさく見えてしまう。生活保護をくすねるぐらいのことはしてほしい…と思うのは自分だけだろうか。「カルテット」の功罪は大きい、やっぱり、と、結局人のせいにする。でもなんか、うまくいえないけど単純につまんないんだもの。

どうでもいいけど内場勝則が全国ネットのドラマに出ているということに一番驚いた。会社でその話をしたら「誰ですか?」と聞かれたので「未知やすえの旦那ですよ」と言ったらもう一度「誰ですか?」と言われた。依然、東西の断絶は深い。

 

恋のツキ 

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原作が大好きなので観ているが、どうにもマンガをただなぞっている感じがして最近は退屈に感じてきている。松本花奈とかが監督してたりアスペクト比シネスコにしたり川谷絵音を配役したりしていろいろ工夫はしてるんだけども、なんか物足りない。マンガは面白いです。

恋のツキ(1) (モーニングコミックス)

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探偵が早すぎる

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今期最大のダークホース。全然期待しないで観たら広瀬アリスのコメディエンヌぶりにやられた。……んだけど、第5話ぐらいで止まってる。録画したものをいずれ全部観るつもり。タイトルを観るとどうしても下ネタが浮かんでしまうが自重する。

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

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GIVER 復讐の贈与者

www.tv-tokyo.co.jp

小林勇貴がメイン監督なので観始めたが、もう一つ乗れない。脚本の問題かも。吉沢亮は美しい。水橋研二久々に観た。あと無駄にエロいカットが多いので、そこは嬉しい。 

GIVER 復讐の贈与者 DVD BOX(5枚組)

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透明なゆりかご

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このクールでは一番面白い。ほぼ毎回泣かされている。特に第1話、それからイッセー尾形角替和枝が出てくる第6話はヤバかった。劇伴がいいのだが、ワルツ調の特に泣ける曲をここ最近序盤で使いすぎてて「さあ泣くとこやぞ」と言われてる気にもなってきた。

まあでもやっぱ、これがベストかな。瀬戸康史がこういう役もちゃんとこなせるということも発見。それにしても酒井若菜が清原果耶の母親役ということに衝撃を受ける。年齢考えれば不思議ではないのだが。

 

サバイバル・ウェディング

www.ntv.co.jp

意外と観続けている。波瑠が結婚できるかどうかはわりとどうでもよくて、伊勢谷友介の奇天烈なキャラクターとうんちく、それから愛されワンピこと奈緒のかわいさにやられた。でももう愛されワンピの出番終わったぽいな…。吉沢亮は美しい。風間俊介は出てくるとなぜかそのシーンだけサスペンスみたいになる。あと、なぜかエンディングテーマがムカつくんだけどなんでだろう。

サバイバル・ウェディング(文庫版)

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高嶺の花

www.ntv.co.jp

僕は「101回目のプロポーズ」とか「高校教師」とか「人間・失格」のどんぴしゃ世代なんだけど、野島伸司のドラマは「聖者の行進」を最後に観ていない。あれは本当にひどいドラマだった(ふらぁいどぽてとぉ)。「高嶺の花」は第1話はそれなりに楽しめたのだけど、だんだんどうでもよくなっていった。石原さとみ演じる生花がすごい女(語彙がすごく貧弱になってる)がいつZARAはどこ?」と言うのか見ものだ。とか書いてたらもう終わってたわ。

高嶺の花 Blu-ray BOX

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dele

www.tv-asahi.co.jp

なんか映画っぽく撮ってるけどあまり興味が持てず、2話で切った。知人いわく「我慢して観てると途中からすごく面白くなる」とのことだが、録画データもうdeleしちゃったかも…。

 

この世界の片隅に

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たぶんそんなに悪くない作品なんだと思うけど、3話ぐらい観てからほったらかし。アニメのほうで大筋を知ってるからかもしれない。松本穂香よりも、伊藤沙莉が演じてるオリジナルキャラのほうが気になる。あと、アニメのほうが「ドラマとは全然関係ない」って宣言したことについてはどうなってるんだTBS。

この世界の片隅に Blu-ray BOX

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ヒモメン

www.tv-asahi.co.jp

設定は面白そうだと思ったのだけど1話でもういいやってなった。

ヒモメン Blu-ray BOX

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青と僕

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寛一郎の顔の形が気になってストーリーが途中でわからなくなった。池田エライザのセーラー服というのは新鮮でいいんじゃないでしょうか。

 以上振り返ってみて、いかに自分がドラマをちゃんと観る忍耐力がないか浮き彫りになってしまった。映画なら最初の15分ぐらい我慢すれば面白くなったりもするのだけど(とはいえ面白い映画はほとんどの場合最初から面白い)、1時間のドラマを数本も観て「そのうち面白くなるかな」と期待するのはつらい。

とりあえず10月期で確実に観るのは前にこのブログでも触れた「中学聖日記」と、

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野木亜紀子が脚本を書くオリジナル作品の「獣になれない私たち」ってとこかな。

www.ntv.co.jp

つーかこのドラマにも田中圭が出ている。「おっさんずラブ」以降の躍進たるやすさまじい。ビル・パクストンかお前は、というぐらい顔を見る。しかもこれにも伊藤沙莉が出ている。おまけに小林勇貴の映画で知った一ノ瀬ワタルまで出ている。どうなるんだこのドラマ。すごく楽しみだぞ。

『ザ・プレデター』について

www.foxmovies-jp.com

※少しネタバレあるので、未見で三度の飯よりプレデターという人はご注意を

プレデター』と『エイリアン』どっちが好きかっつったらもう、それは断然『エイリアン』です。『エイリアン』は全作観てるけど『プレデター』は『2』までしか観ていません。やっぱりエイリアンのほうが、クリーチャーとしての造形があまりにも秀逸すぎるということがその理由の一つではあります。え、AVPなんですか、それ?

シュワルツェネッガーが出ていた第1作は小学生の時に父親が借りてきたレンタルビデオで観たんですけど、そりゃあもう怖くて。皮を剥がれた死体、犠牲者(ちなみに、演じていたのは今作『ザ・プレデター』の監督シェーン・ブラック)の内臓、鮮血がカメラに飛び散る演出とか、いたいけな子供だった自分にはかなり刺激が強い映像のオンパレードだったんですよね。これと『ロボコップ』を観たことで、かなり鍛えられた気はします。もっとほかの部分を鍛えておくべきだったような気がしないでもないですが。

プレデター(字幕版)

プレデター(字幕版)

 

さて今回の『ザ・プレデター』、シュワルツェネッガーが出ないのはまあ仕方ないかなとは思ったものの、やっぱりシェーン・ブラックが監督するって意味でかなり期待してたんですよ。『アイアンマン3』も『ナイスガイズ!』も、大好きってわけではないけどよくできた映画でしたから。

アイアンマン3 (字幕版)

アイアンマン3 (字幕版)

 
ナイスガイズ!(字幕版)

ナイスガイズ!(字幕版)

 

出演者も『ローガン』で極悪な役やってたボイド・ホルブルック(イケメンだからこの人今後売れるだろうなと思った)とか、『ルーム』の怪物子役ジェイコブ・トレンブレイとか、けっこう豪華だなと。一部界隈では「プレデター(笑)」だった当シリーズを立ち直らせてくれるんじゃないかな、と期待して観たんです。

ところがアメリカでの評価は芳しくなく、Rotten Tomatoesでは批評家からのスコアも低くて、あまり期待しないほうがいいなと思ってました。

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Rottenと自分の好みが必ずしも合うとは限らないんですけど、やっぱり気になる指標ではあるんですよね。で、日本公開日を迎えたらTwitterではわりと賛否両論ぽい雰囲気。「このプレデターを作ったのは誰だぁっ!!」という某美食家のような意見もあれば「ほー、いいプレデターじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので」という某個人輸入貿易商的なつぶやきも目にする。

そして観てみた結果…。

想像のはるか斜め上を行くバカ映画に仕上がっておりました。

序盤、アラン・シルヴェストリが作曲した第1作のメインテーマが流れるところではテンションが上がるわけですよ。シュワちゃんはいないけどやっぱりあのテーマ曲は脳裏にこびりついてるから、「いよっ待ってました!」と胸がいっぱいになる。「第1作の正当なる続編」と銘打つだけのことはある。主人公クイン・マッケナとその愉快な仲間たちの出会いも、「まあこういう軽いノリもありかな」という感じで悪くない。

ところがプレデターがなんか白っぽーい研究所で捕まってるシーンあたりから雲行きが怪しくなるんですよね。えっと、いくらなんでもこんな凶悪な生物をそんなぬるい拘束で封じ込めておけるわけなくね?っていう。案の定、寝起きのプレデターに科学者連中が惨殺されるというどこかで見たような展開が繰り広げられるわけですが、まあいいですよ。細かいことをそんなに気にするべきシリーズじゃないと思うし。

ところがクインと愉快な仲間たちが軍の護送バスを乗っ取ったあたりから、いろんなことがグル◯ポンのおせちみたいに雑になっていくんですよ。例えば、「息子に銃撃戦は見せない」とか言ってた主人公が、終盤では息子の前であっさり人間をぶち殺して(しかもそんなに悪いことしてた感じでもない)開き直ったり、人間vs人間というよくある構図が見えてきたときに、悪だと思ってたやつと主人公が突然「決着は後でな」と馴れ合ったりとか、どう考えても途中の展開がすっぽ抜けてるとしか思えないようなガタガタなシークエンスの組み立てとか、とにかく首を捻らざるを得ない変な話運びになっていて。どういうことなのか調べてみたら、こういう事情があったようなんですね。

front-row.jp

ほかにも、愉快な仲間たちがけっこう残酷に人間を殺してたりして、シェーン・ブラックからしたら「全部ギャグだから」っていうことなのかもしれないけど、悪趣味の質でいうと例えば『デッドプール2』のそれよりは確実にレベルが低いと思うんですよね。『デッドプール2』はすれすれでポリコレ弾をかわしてる気がするけど、『ザ・プレデター』はほとんど弾当たってるから。それこそ予告編で見たデップーとケーブルのやり取りかよっていう。

ただですね、だからこの映画がクソつまんなかったかっていうと実はそうでもないというか。もう研究所のシーンあたりから「第1作の感覚で観るのはやめよう」と決めたのがよかったようです。確かにブラックジョークが滑って単に不謹慎っぽくなっちゃってるところもあるけど、クインと愉快な仲間たちが繰り出す会話は面白い。それこそ『ナイスガイズ!』を思わせるような軽妙な笑いです。だから、観てるとちょっとこいつらが好きになってくる。まあ正直、その「好きになっちゃったあいつらがこんな目に…」っていう悲壮感がなさすぎるもいかがなものかと思ったけど…。

ここでいいところを並べていくつもりだったんだけど、やっぱり文句ばっかり言いたくなってきました。だから文句を書いていきます。ジェイコブ・トレンブレイが演じる少年の設定がなんかよくわからない。発達障害を持ってるらしいんだけど、いつの間にかプレデターの言語とか理解してそうな雰囲気がありましたよね。天才にするならするでいいんだけど、そう見せるための布石を置いてないから(あるいは置いてたけど性犯罪者のせいで全部吹き飛んだか)、「え、なんなのこのガキ!?」って思ってしまう。はっきり言ってジェイコブ・トレンブレイの無駄遣い。あと今更これを言うのもなんだけど、でかいプレデターがザコは瞬殺してるのにクインとか生物学者?の女だけは「ぶん投げる」だけって、なんやねんそのえこひいきは。それからこれはアクション映画の悪しきあるあるだけど、暗い画面でいろんなことをごまかそうとするのはやめてほしい。何やってんのかよくわかんない。

そんで最後の取って付けたようなあのシーン、なんなのか一体。どういうことやねん。もうシェーン・ブラックはヤケになってしまったのか。「プレデター(笑)」な現代の若者たちに対して「かわいそうに。つまらないプレデター(ズ)しか観たことがないんだな」と山岡士郎ばりにのたまい(※想像です)「究極のプレデター」を見せるはずがこれかよ。大体あの「ヤマダ・ヒロシ」ってなんだよ。松崎しげるが突然出てくるからビックリしたわホンマ。

いやいやでもね、本当にね、つまんなかったかっていったらそんなことないんですよ。なぜか見てて飽きはしなかった。少なくとも同じ日に観た『プーと大人になった僕』よりは楽しめたのは確かなんです、これが。なんでここに来て擁護してるのか自分でも全然意味がわかりませんけど。アルバトロスの映画を観るような感覚で行けばそんなに腹が立つことはないんじゃないかと思いますよ(鳥山明の例のコピペ貼ろうと思ったけどめんどくさいからやめた)。

The Predator: The Official Movie Novelization

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『響 -HIBIKI-』について

www.hibiki-the-movie.jp

いやー、正直全然期待はしてなかったんですけど、わからないものですね。『響 -HIBIKI-』、ハッキリ言ってめちゃ面白かったです。

原作は柳本光晴という方の『響〜小説家になる方法〜』というマンガなんですけど、この作品自体は気になってたんですよ。なんせ小説家の話をマンガでやるっていうのがね、例えば既存の作家の伝記とかならまあわかるんですけど、まったくのオリジナルキャラとストーリーで成立させてしまっている(らしい)ところが面白いなと思って。

ただ東宝が映画化すると知ったときは「ま〜た人気原作ものか」と感じて、あんまりいい印象はなかったんです。監督の月川翔は『きみの腎臓を売りたい』だか『きみの大腸を洗浄したい』だか『早く人間になりたい』だかのイメージが強くて、まあそつなく無難にまとめるタイプの人なんだろうと。*1

でもこの「観ないで判断」っていうのがいかに危険なことなのかよくわかっているつもりでも、どうしてもやっちゃうんですよね。しかも、この「観ないで判断」っていう安易な行動が『響 -HIBIKI-』の劇中でもばっちりぶった切られたりするもんでね、もう未婚出会えない映画おじさんとしては反省しきりなわけです。

例によって雑に説明すると、とんでもない文才を持つ15歳の少女・鮎喰響が、そのエキセントリックな言動で周囲の人間を巻き込みながら文壇に革命を起こしていく、というのがこの映画のあらすじ。具体的にどうエキセントリックなのかというと、「高校で入った文芸部にたむろってたヤンキー先輩の指をブチ折る」、「そのヤンキー先輩に再び因縁をつけられたときに落とし前をつけようとして本当に学校の屋上から落ちる」、「文芸賞の授賞式でほかの受賞者の頭を桜井広大パイプ椅子でぶん殴る」と、もうほとんど狂人レベルです。

映画の冒頭はですね、正直あまりいいと思わなかったんですよ。GoPro的なカメラを使って、響が書いた原稿の行方を追うっていうショットなんですけど、はっきり言ってダサい!と思い、いきなり不安になったんです。ところが、響を演じる平手友梨奈の顔を見たときに「あぁ、これは大丈夫なんじゃないか」と思わされてしまう。ここで、この映画を観ようと思った最終的な決め手に触れておきたいんですけど、それはもうこの平手友梨奈という映画初出演にして初主演の女優なわけです。

原作の響ってほっそりしていて、いかにもまあ文学少女といった感じがするんですけど、平手友梨奈は丸顔でもっとふっくらしている。原作原理主義者からしたらこれだけで気に入らないのかもしれないけど、原作未読の僕としてはもうそんなことはどうでもいい。目ですよ、平手友梨奈の目。彼女のあの強烈な目力。これが、原作の響と同等、あるいはそれ以上の“主人公力”みたいなものを体現していて。正直、この映画の予告とかポスターとかを見るたびにですね、平手友梨奈さんに圧をかけられてる気がしてたんですよ。「観るわよね、この映画」って。

要するに、この映画はもう平手友梨奈様を主演に据えた時点でもう勝ちだったと思うんですね。すでにいろんなところで言われてるけど、鮎喰響という主人公と平手友梨奈様の存在がほぼダブってくるというか、この現象は一種のアイドル映画としても大成功なんではないかと。こんなこと言うと、お前もともと平手友梨奈とか欅坂46のファンだったんだろと言われるかもしれませんけど、断じてそんなことはありません。アイドル全然知らないんで。なんせ今この文章書いてて「欅坂のあとって46だっけ、48だっけ」って考えちゃったぐらいですよ。

この映画を観たあと、平手友梨奈様が出てるコスメかなんかの広告写真を観たんですけど、そんなにいいなあとは思わなくて。普通に笑ってる写真とか見ると「あ、そんなに笑わなくていいから!」と思ってしまう。映画でも動物園に行くシーンがあって、たぶんそこは素で楽しんでるところにカメラを向けたんでしょうけど、もうアルパカとかキリンとかも全部無表情で見つめてほしかったぐらい。この仏頂面なキャラクターのイメージがあまりに固定しすぎるとそれはそれで今後の女優業に支障が出て大変そうな気がしますが、本当に唯一無二な存在感のスターが出てきたなと思っています。

残念なところを挙げるなら、いろんな原作のエピソードをかき集めた結果、例えば柳楽優弥みたいな存在感のある役者の出番がちょっと少なくてもったいないなあと思ったところかな。まあこれは2時間で映画化しようとすると致し方ない気も。

あと小栗旬野間口徹の役は、少し前だったら逆にキャスティングしてそうですけど、そうではないところがいいですね。小栗旬みたいな、ほぼ若頭みたいな位置を日本の芸能界で築いている人と、ほぼド新人の鉄砲玉みたいな平手友梨奈様をこういう形で対峙させるって、これはなかなか意地悪で気の利いた配役じゃないですか。

この日はこの『響 -HIBIKI-』のほか『プーと大人になった僕』『ザ・プレデター』を観たんですけど、一番期待してなかった『響 -HIBIKI-』が一番面白かったですね。実は『累-かさね-』(これも結構評価高い)と迷ってたんですけど、時間の都合上『響 -HIBIKI-』にしました。東宝の実写化企画って敬遠しがちなんですけど、やっぱり全部が全部どうでもいい映画ってこともないんだなと痛感しました。先入観を持たずに観ないと平手友梨奈さんに指をブチ折られるので、今後気をつけることにします。原作も読んでみます。あ、最後に、伊藤ゴローさんのエレクトロニカっぽいダークな音楽もよかったです。『恋は雨上がりのように』(こちらは映画のできはあまりいいとは思えなかった)でもいい仕事してましたよね。

映画「響-HIBIKI-」オリジナル・サウンドトラック

映画「響-HIBIKI-」オリジナル・サウンドトラック

 
小説 響 HIBIKI (小学館文庫)

小説 響 HIBIKI (小学館文庫)

 

*1:すみません、今度Prime Videoで『君と100回目の恋』観ます。あと無料になったら『君の膵臓をたべたい』も観ます